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第1話

集合住宅の中に、一軒の家がある。 そこのリビングで、男が一人眠っていた。 男の両の腕は、存在しない。足も、右側は太ももの付け根から、左側は膝下から、すっぱりと切れてなくなっている。 男は、少しやつれた表情で眠り続ける。 その顔は、やつれているとはいえ血色は良く、整った顔立ちだ。力強さを感じさせ、また、少し不良の少年の面影がある。 この男が四肢を失った原因は、バイク事故だった。彼は、無茶な運転をして事故に遭い、辛うじて命は取り留めたものの、このように不自由な身体になってしまった。名前を武流という。 「ただいま、兄さん」と言って入ってきたのは、大人しそうな雰囲気の青年である。茶色みた猫っ毛は、彼を少し幼く見せている。 その声を聞いた男は、浅い眠りからハッと目を覚ました。 「光流…」男はそう呟き、身を捩って、自分が光流と呼んだ青年から距離を置こうとする。 「無駄だよ、兄さん。」と、光流はいとも簡単に武流を抱きすくめてしまう。一瞬、武流の身体がぶるりと震えた。 「いい子にしてた?」と光流は武流に訊く。 武流は喋らなかった。ただ、くたばれ、とだけ光流に吐き捨て、そっぽを向く。 「そんな態度じゃ、お仕置きだなぁ。」 光流はそう呟き、武流の服を脱がせにかかった。 「や、やめ、」と武流はもがくが、四肢のない身体では抵抗などままならず、光流のなすがままに服を脱がされた。 「今日は何をしようか。」と光流が眺める武流の身体は、赤、紫、緑と鮮やかな痣に彩られ、また、熱いものを押し付けられたような跡もあちこちにある。 「兄さんは不良だから、根性焼きなんかは経験済みだからなぁ。もっと派手にお仕置きしないとかなぁ。」 光流は暗い目で自分の兄を眺める。兄弟だからという理由で兄を押し付けられた自分に、腹が立って仕方がないのだ。 武流が逃げようともがくと、光流は間髪入れずに平手を食らわす。 「住まわせてもらってる分際で、僕に逆らうなよ、兄さん。もう少し従順にしたら、少しは優しくできるのに。」 まるで出来の悪い犬を叱るように、弟は兄をはたき続ける。 「…るせぇ、くたばれ。」 兄は眼光鋭く弟を睨み、二人の間には兄弟らしい情愛などは微塵も見えなかった。 「今日は水責めにしようか。」と光流が言い、武流を風呂場へ引っ張って行く。 風呂に張られた水を見て、武流はびくりと体を震わせるが、まだ何も言わない。 「謝るなら、許すよ。」兄弟だからね、と光流は言う。 「お前みたいな奴を兄弟だと思ったことはねぇ。」と、武流は言った。 「じゃあ、自分の立場がわかるまで苦しんで。」と、光流は武流の頭を水の中に突っ込む。 武流はしばらくは息を止めて耐えていたが、段々と苦しくなり、もがき始めた。 「まだ息を吸わせてあげない。」僕は怒ってるんだよ、と、光流は武流の身体のしなりを愉しむように抑えつける。武流の精一杯の抵抗は段々と弱まり、やがて動かなくなった。 動かなくなった武流の手足のない身体を、軽々と光流は風呂から引き上げる。引き上げられた武流は、急に息ができて咳込んだ。 「もう一回やる?」光流は、武流の前髪を掴んで訊く。武流は何も答えない。結局、このやりとりは三回続いた。三回目で武流は気を失いかけ、弱々しく、やめてくれ、と言った。 「じゃあ、それなりのことをしてもらわないと。」と光流が差し出した形のいい足を、武流は舐める。多少反抗的な目つきをしてはいるが、大人しく舐めていることに変わりはない。 光流はくすぐったそうに笑い、自分も服を脱ぎ始めた。 「兄さんの仕事は何?」 「…」答えない武流に、光流は足で軽く頬をなぶるように撫でた。 「ちゃんと言って。」 「…てめぇの奴隷だろう…」 観念して話す武流の頭を光流は撫でる。 「兄さんは頭が悪いから、ちゃんと教えてもすぐに忘れちゃうんだね。」 「一宮武流は一宮光流のオナホですって、言えよ。」 光流は冷たくそう言い放った。 武流はそれを聞き、もうこれ以上反抗の余地はないと悟ったのか、観念したようにつぶやいた。 「俺は、光流の、オ、オナホです。」 「そう、それでいい。」と、光流は満足そうに武流の頭を再び撫でた。 「じゃあ、まずは舐めて。」 武流は顔を背けたくなるのを堪えながら、光流の足の間にあるものを舐める。教え込まれたとおりに軽く吸い、舐め上げ、喉奥へ丁寧に包み込んでいく。 その様子を見て、光流は満足を覚えた。 「まったくさあ、僕は、怪我をした兄さんの世話なんかしたくなかったんだ。だから、これぐらいのことはしてくれなくちゃ…」 光流は武流の頭を掴み、オナホのように好き勝手に動かし出した。武流の抵抗さえ興奮材料として、好き勝手に喉奥を突き、弱々しく押し戻そうとする喉の動きさえ楽しむ。 しばらくして、光流は射精した。出した静液を、飲めと武流に命じる。 武流は従順に飲み込んだ。もはや、彼に抵抗するエネルギーは残っていなかった。 「明日も」と光流が言う。 「明後日もしあさっても、兄さんは僕のオナホだからね。」

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