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笑うな。走れ

 俺は朝から全速力で走っていた。  起きてからまだ10分も経っていないのにこの様だ。いつもなら二度寝しているが今日からはそれは出来ない。  それは遅刻、欠席のし過ぎで昨日担任に「今学期あと1回でも遅刻とかしたら出席日数不足で強制退学だぞ」と宣告されたからだ。  退学はまずいだろ。  さすがの俺も焦ってさっそくのピンチを何とかしようと朝から走ってるんだけど、このままでは確実に間に合わない。  とりあえず走っていると、前方に知り合いが自転車に乗ってのんびり走っているのを見つけた。  ラッキー!俺は見つけた瞬間ダッシュしてその自転車の荷台の部分に飛び乗った。 「うわ!って、貴哉!」 「うるせぇ早川!いいから走れ!遅刻すんだろー!」 「ああ、もう後がないんだっけ?」 「笑うな。走れ!」 「はいはい。言っとくけど俺の運賃高いからね~」  自転車の持ち主はいきなりの衝撃に驚いて停まりやがった。衝撃の原因が俺だと分かると男はニコッと笑ってそのまま走り出した。  焦ってる俺を笑うチャラ男め。何はともあれこれで今日は遅刻しなくて済みそうだな!

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