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それだからモテないんだって
放課後、早川と中西と三人でスイーツとやらを食べに来た。店の中は甘い匂いが充満していて、客も女がほとんどだった。
「ここのケーキすっごく美味しいんだよぉ」
「俺来た事ある~。スポンジがしっとりしてて美味しかったなぁ」
「お前ら女子みたいな会話してんなよ」
「また貴哉はそういう事言う~」
「それだからモテないんだよ」
「うるせぇ!さっさと食って帰るぞ!」
今日は中西の彼氏の戸塚は不在だから、妙な威圧感がないから気楽でいいぜ。
「貴哉のケーキ美味しそう~」
「日替わりの頼んだ」
「でも大丈夫か?生クリームたっぷりじゃん」
実を言うと俺は生クリームが苦手だ。一度にたくさん食うと気持ち悪くなる。
前に早川に挑発されてケーキを一気食いしたら吐きそうになってめちゃくちゃ笑われた事があるんだ。早川はそれを言ってるんだろう。
「こんなん余裕だし」
「また無理して吐いても知らないよ」
「あん時は吐いてねぇ!ギリギリ堪えた!」
早川に言われると腹が立つから調子に乗ってケーキを二、三口食う。
うっ甘い。上手いけど、全部はキツいなこれ。
もう中西にあげちゃおうかな。
「中西、残り食うか?」
「え!いいの?やったー」
「貴哉、こっち見て」
「あ?……んっ!」
無事、中西にケーキを押し付けるのに成功した時早川に呼ばれてまたいちゃもんつけられるのかと反論の準備をしつつ振り向くと、口にチーズケーキを入れられた。それも、早川のフォークで!
なんて屈辱的な事を!
「な、に、すんだコラーーー!」
「俺のチーズケーキなら甘さ控えめだからお口直しにいいんじゃないかなって」
「空くんずるーい!俺があーんしても食べてくれなかったのにぃ」
「てめぇの目は節穴か!今のは無理矢理食わせられたんだ!」
「貴哉ってば照れちゃって可愛い」
「また可愛いって言いやがったな!いつか貴哉様かっこいいって言わせてやるからな!」
「貴哉はかっこいいよー♪ちょっとお馬鹿なだけ」
「中西、お前もちょいちょい毒吐くよな」
まだ気持ち悪さが残るってのに、この二人を相手するの辛いぜ。
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