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迎えとかいらねぇ

 帰り道、俺は憎たらしい早川にケーキを奢ったのでお礼だと自転車の後ろに乗せてもらった。  はー、楽。気持ち悪かったから少し助かったな。 「おい、また奢れとか言わないよな」 「言わない。それより体調大丈夫か?顔色悪かったけど」 「寝りゃ治る」 「無理すんなー。余計にカッコ悪いぞー」 「そうやって早川がいちいち突っかかってくるからだろ!」 「貴哉はいちいち応えてくれるよな」 「だってムカつくから」 「うん。可愛いよ貴哉は」 「またお前は……」  もう今はいい。とりあえず疲れたので大人しく揺られていた。とても穏やかでゆっくりとした速度で走ってるから、今の俺にはちょうど良かった。  もしかして体調悪い俺を気遣ってくれてる?いやいや、まさかな!  しばらくすると、早川が思い付いたように話し出した。 「そだ、明日から迎えに行ってやろうか?もう遅刻出来ないんだろ?」 「……」  これはどう言う風の吹き回しだ?また奢れだとか言い出す気か?あの早川の言う事だから裏があるんじゃないかと疑ってしまう。 「おーい?貴哉?」 「いや、いい。迎えとかいらねぇ」 「そう?じゃちゃんと目覚ましかけろよー」  早川に借りを作りたくないから断った。  こうなったら何が何でも起きてやる。これ以上早川に舐められてたまるか!

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