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はじまりの場所(7)
本当に同じものかな? と疑問に思う程に、ユリウスのものとは太さも長さも違う。それに下生えの色も、殿下の髪の毛と一緒で黒に近い濃い色だった。
確かに『可愛い』とは程遠い見た目だが、殿下が興奮していることが、嬉しいし愛おしい。
その、ユリウスの手に余るほどの剛直を掴み、ゆるく扱く。反応し、手の中で更に硬くなるのも、嬉しかった。
手だけじゃ物足りなくて、体を屈めて、先端のつるりとした膨らみに舌を這わす。
「無理しなくていいぞ」
だから、無理してないのに。
言葉で説明するかわりに、大きく口を開けて先端を頬張った。
殿下の太股に力が入ったのがわかる。
ユリウスの口では歯を当てずに先端を含むのがやっとで、懸命に舌を這わし、根元を両手で扱く。
腰を引き寄せられ、尻の狭間に吐息のあたたかい風を感じたと思ったら、直後、その狭間を濡れた熱が辿り始めた。
窄まりの表面を舐められ、期待したそこがひくひくと収縮するのがわかる。
「ちゃんとほぐさないと」って言ってたし、尻を向けて跨れと言われた時点で、そうかなと思ったけど。
でも、やっぱりこんなところを舐められるのは、死にたくなるほど恥ずかしい。
舌が、先を尖らせて奥へと進んでくる。
確かに前にしたときよりも、そこがキツいような気がした。前回は発情期 中で、最初からそこは濡れていたから。舌や指を挿れられたときの痛みは全然なかった。
「ライニ様……、実は……、枕の下に香油が…………」
実を言うと、妊娠中でもそういう行為をしていいのか母に訊ねたときに、必要ならこれを使いなさい、とその香油をもらったのだ。殿下が湯浴みをしている間に、こっそり枕の下に隠していた。
「すまない。俺のほうが準備してないといけないのに……」
――あ、いえ。準備したのは僕じゃないんです。母です。
と言いたかったけど、余計に明日の朝、母に合わせる顔がなくなりそうなので、心で呟くにとどめておいた。
香油のぬめりをまとった指が、窄まりを割り、奥へと侵入してくる。痛みはないが、異物感はあって、反射的にぎゅっと締めつけてしまう。構うことなく、奥まで挿入された指は、すぐに腹側に曲げられ、ユリウスの弱いところを弄び始めた。
「もてあそぶ」という言葉のままに、円を描くように捏ねられ、突かれる。それだけで内腿が震え、会陰が熱くしこりだし、自身の勃ち上がった性器が先端の小孔に雫を滲ませるのがわかる。
「っ、……ふぁ……、アっ……」
「ユーリ。口が止まってるぞ。お前が自分でしたいと言ったんだろ」
急かすというより、揶揄うような口調だった。
「そんなっ、されたら……、うまくできなっ……」
上げていた顔を再び俯かせ、目の前の雄に舌を這わせようとするけど、それどころじゃなくなる。
指が二本、三本と増やされ、感じて、喘ぐことしかできなくなった。
いいかげん射精を堪えきれなくなった頃。指が一気に引き抜かれた。
「んっ…、ぁあッ……!」
背筋が弓なりに反り、半開きの口から甲高い嬌声が洩れる。
「ユーリ。挿れるのは、座った状態でもいいか? 寝てやると、我慢できなくて激しく動いてしまいそうだ」
ふふっ、と笑みをこぼす。
抱きしめていいか? キスしていいか?
そんなふうに何でも、ユリウスの希望を確認してくれる殿下が、心から愛おしかった。
「向かい合わせがいいです」
ユリウスは殿下の体の上で身体の向きを変え、太股の上に乗った。
腰を支えてもらいながら、ゆっくりと剛直を飲み込んでいく。
隘路を押し開かれる痛みと、圧迫の苦しさが、徐々に陶酔へと変わっていく。最後は自重で一気に根元まで飲み込み、尻に濡れた下生えが触れた瞬間、強烈な痺れが背筋を駆け巡った。
「あぁっ、……んっ……」
甘い香りに混ざり、官能的な雄の香りが沸き立つ。アルファのフェロモンの香りだった。
胸に顔を寄せられ、荒い呼吸を吹きかけられる。
動きたいのを我慢してくれているのだろう。
ユリウスはラインハルトの頬を両手で包み、上向かせた。
ふっ、と吐息で笑い、殿下が顔を近づけてくる。
薄く口を開いて、彼の熱い舌を受け入れた。
甘ったるく舌を絡ませながら、胸の突起を軽く抓られ、挿入の痛みで萎えた性器を優しく撫でられる。
上と下で溶け合う感覚に、これ以上ないというくらい心も体も満たされる。
膝を立て、ユリウスがゆっくりと体を持ち上げると、殿下が両側から腰を支えてくれた。
柔襞で彼の雄を締め付け、その形を自身の身体に刻み込むように、ゆっくりと身体を上下させる。時折り殿下が焦れたように腰を突き上げ、ユリウスの弱いところを擦り上げる。
深く繋がったままの腰を前後に軽く揺らされ、ユリウスはたまらず、その逞しい首に両腕を絡めた。
感じる場所を擦り上げられ、奥を突かれるたびに、快感の荒波に揺さぶられる。
「ぁンッ、……ふっ、ぁ…………ァアアッ……!」
激しく突かれるままに腰がガクガクと揺れ、ぱっくりと開いた孔から白濁を迸らせる。高みに押し上げられた意識が、一瞬真っ白になった。
「……くっ、」
殿下が腰の動きを止め、小さく呻く。
中がぎゅうっと雄芯を締め付けるのがわかる。どくんと脈打ち、極限まで膨らんだそれが、ユリウスの中で弾けた。
深いところが熱液で満たされていく。
以前、中に出されたときのことは、すぐに意識が飛んだからよく覚えていない。
多幸感と恍惚とが同時に押し寄せてきて。
あたたかな涙となって、溢れた。
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