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第49話☆

 体の中に響くような、こんこんと湧き出る泉のような快楽に翻弄されて、白露は足をバタつかせた。 「んんー! なんか、へんっ」 「変じゃないよね、こういう時はなんて言うんだ?」 「気持ちいい、いぃっ……!」  一度も触られていない前が頭をもたげていて、明確に快感を感じていることを自覚する。その途端に堰を切ったように気持ちよさが溢れてきて、白露は背筋をしならせ身を捩った。 「あ、だめ、だめ……っ」 「白露、嘘はいけないな。気持ちいいのならもっとしてほしいのではないか?」 「本当に、だめぇ……っ! 気持ちい、から、変になるっ!」 「いいんだよ白露、もっと乱れて。感じる君はとても綺麗だ」 「あ、やっ」  ぐずぐずと腹の底に熱が溜まって、出口を求めて渦巻いているのを感じる。熱を放出したくてたまらなくなった白露は、枕から顔を上げると自身に手を添えて上下に擦りはじめた。 「い、いく、いきそう」 「いいよ。見ていてあげる」 「見ないでぇ……!」  琉麒にお尻を探られながら前を弄っている様をあますところなく見られていると思うと、もうひとたまりもなかった。ピュルルと吐き出した精液は白露の手をベタベタにしてしまう。  もういったというのに、琉麒の手は止まらない。夢中になって中を弄る手は、いつまでも白露の欲を刺激する。強すぎる刺激に白露は首を横に振りたくった。 「あ、りゅ、きぃ……っ!」  止めようとして琉麒の手首を掴むと、欲にギラつく青玻璃の瞳と目があった。 「あっ……」  その迫力に、白露は息を飲むことしかできなかった。琉麒はにこりともせずに指を引き抜くと、首輪に手をかけながら細い首筋を甘噛みする。悲鳴をあげそうになって迫り上がった喉からは、思ったほどの痛みがなかったために中途半端に空気だけが漏れていく。 「っ……」 「白露、ああ白露……待ちきれないよ」  そのまま首筋を舐められて身を竦ませると、間近に迫っていた金の髪が音もなく離れていく。琉麒は自重するように首を振った。 「……頭を冷やしてくる。私の寝台は好きに使ってくれ。湯の準備を申しつけておく」 「え」  琉麒は深衣を羽織ると帯を締めるのもそこそこに部屋を出ていってしまった。

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