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第34話 新しい伴侶 ②
会場はいつものステージではなく、VIPのために用意された特別ステージ。
拓海と雅成が絡み合うステージは360度見られるように、床は防弾ガラスでできていて固定カメラ数十台、プロのカメラマン二人、客が操縦できるドロンカメラが客一人につき一台渡される。
ショーの後、最高金額を提示した客は、自室に拓海と雅成を招くことができ、個別で金を積めばさらに個人的な要求をすることもできる。
今回のショーのメインは『雅成と拓海と客の3◯』
だがこれはショー後にあるオークションで権利を競り落とせた客のみとなっている。建前は。
本当は出来レースで太客として権利を落札するのは、雅成の新しい伴侶。
雅成がショーに出たとしても、その後の新しい伴侶との行為を拒否したければできるようになっている。
露出度の高い踊り子の衣装を着た雅成が、上半身裸で雅成と同じタイプの男性用の踊り子の衣装を着た拓海の濃厚なキスでショーが始まった。
胸元に取り付けられた小型マイクから、激しいキスの音や唾液が混じり合う音、熱い吐息やどんな小さな喘ぎ声も拾い、備え付けられた高音質なスピーカーや、ワイヤレスイヤフォンから聞こえてくる。
今回の客は仮面をつけず、堂々と顔出しをしている。
世界的な有名人、政治家、豪族……。錚々たるメンバー。
その中に雅成と同じぐらいの年頃の銀髪の青年が、雅成の姿に釘付けになりながら座っていた。
(多分あの人が、例の伴侶……)
雅成が拓海からのキスを受け入れながら青年を見ていると、急に抱き上げられ、ステージ上の高級ソファーに座る拓海の膝の上に座らされた。
「拓海?」
いつもの拓海らしくない行動に、雅成が戸惑っていると、
「よそ見するなよ」
顎をつままれ横向きにさせられる。
傍のテーブルに置いていた赤い飲み物を、拓海は口に含み雅成に口移しした。
「んんぅ……ぅン……」
身体の芯から疼くような痺れがじんわりと広がる。
拓海から口移しされたのは媚薬だと雅成は気付いたが、強烈な媚薬ではない。
じわじわと、だが確実に全身に効果が広がり、ゆっくりと体内に吸収されていく。
急激な刺激ではなく、段階を踏んで快楽が迫り上がってくる。
敏感な口腔の粘膜を舐められ吸われると、愉悦がゆっくりと全身を巡る。
少ない布で隠している股の間の楔が反応し、布を持ち上げていく。
「姫、気持ちいい?」
拓海がプレイ中に雅成のことを『姫』と呼ぶときは、怒りのような嫉妬を孕んでいるとき。
こうなると雅成が泣いて乞うても、拓海の気が済むまで攻められ弄られ焦らされる。
意識が飛びそうになると、深いキスで引き戻される。
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