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第35話 新しい伴侶 ③
「気持ちいい?」
拓海は雅成の口内に指を入れ、上顎をくすぐる。
舌でくすぐられるよりも、無理矢理されているように感じる。
喉の奥付近を触られそうになると、拓海の楔を口腔で迎え入れているときを思い出す。
楔を迎え入れた時の、拓海の味。
カリ首を舌先でなぞると、短く呻く拓海の声。
裏筋にキスをすると、嬉しそうに頭を撫でてくれる優しい手。
雅成は拓海の指を、楔のように舐め、時に甘噛みする。
指と指の間も丁寧に。
拓海は硬くなった楔をわざと雅成の背中に当て、背中に裏筋を擦り付ける。
耳元に吹きかかる拓海の熱い吐息。
挿れられていないのに、媚肉がキュッと締まった。
「蜜をこんなに垂らして……。姫、イきそう?」
言われて雅成が楔を見ると、透明な蜜が滲み出て布の色を変えていた。
「うん……」
まだ口内しか触れられていないのに、反応してしまう身体が恥ずかしい。
今まで拓海に愛され続けた身体は全てを覚えていて、脳内で感触も香も快感も再生される。
「触って欲しい?」
乳首の上にかぶさっていた布を拓海は指で外し、露出した乳首に背後から息を吹きかける。
「あっ……」
敏感になっている乳首は、空気の揺れだけで感じてしまう。
「触って欲しい?」
雅成の楔の上の布も外すと、早く触れて欲しいと震える楔が露わになる。
「触って……」
楔が拓海により見えるように突き出す。
「姫の楔はいつ見ても綺麗だ」
「あっ、んぅ……っンン」
滲み出す蜜を掬うように、鈴口を爪でそっと撫でられると、腰が砕けそうになるぐらい気持ちいい。
「姫の美しい楔、彼にももっと見てもらわないとな」
そういうと拓海はステージ裾にいた黒服を目で呼びつけると、黒服に何か伝えた。
「彼……?」
「そう。あ、彼が来たよ」
拓海の視線の先を見ると、先ほどまで客席にいた、あの銀髪の青年がステージ上に連れてこられていた。
「どう、して……彼に?」
ここはステージ。
客たちは大型モニターや個別のモニターで雅成と拓海のプレイを360度、自分の好きな角度から見ることができる。
だからわざわざステージ上に上がってきて見ることはなかったし、もし見るとしてもある程度の金額を積んではじめてステージ上で見ることができる。
だが彼はそれ全てをしていない。
「姫は彼が特別なんだろ? だからよそ見なんてしてたんだ」
「ちが……っあ、ああっ……」
拓海の言葉を否定しようとしたが。楔を優しく握られ阻止された。
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