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※※ 第26話

「ああっあっぁっ……、ァアア──ッ‼︎」 留守になっていた乳首を爪で捻り上げた瞬間、スートの体が、真っ白に弾け飛んだ。 ぱちゃっ、と僕の腹にかかった白露が、肌と肌の隙間をトロトロと流れ落ちていく。 スートのそれは、吐き出した余韻の中で繊細に震えていた。 やわやわと握ってやると、また吐息が漏れた。 「おい、まだ終わりじゃねえぞ」 「……へ、……、ア"ッ!」 こっちの猛りはおさまらない。 ガン! と奥まで突き立てて、欲望のままに打ち付ける。 「ふかみ、さっ、もうっ!これ以上は、やめ、どうか、」 「ああ? 何言ってんだ、止められるかよ」 「ィッ、……こ、れ以上されたら、おれっ……」 「なんだよ」 「も、……っと、好きにな、っちゃう、からっ……」 「ああ? それの何が悪いんだよ」 「だっ……て、俺みたい、半端、なやつ、……きっといつか、捨てられっ……!」 泣きながら曝け出された本心に、胸がカッと熱くなった。 「……」 それでようやく分かった。 スートへのこの、モヤモヤとした思いの正体が。 「──バカ、捨てやしねえよ。半端だって、いいじゃねえか……」 繋がったまま、傍に散らばるタロットカードに手を伸ばす。聖杯と金貨のカードを拾い上げ、その白い胸に並べた。 「この二つが、お前だろ」 それから棒と剣のカードを拾って、聖杯と金貨のカードに重ねる。 「それでこの二枚が……」 「深水さん……?」 「そうだ」 泣き腫らしたスートの額を、ニッと笑って撫で回した。 お前ひとりじゃ半端でも、二人あわさりゃ、きっと最強になれんだろ──。 抱きしめてそう囁くと、やがてためらいがちに伸ばされたスートの腕が、首にそっと絡みついた。

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