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第4話◇※

 外の明かりが窓から入ってるのでそこまで真っ暗ではないが。  え?  事態が分からなくて、固まってるオレの前で、涼真が着ていたTシャツを脱ぎ捨てた。  男っぽい、体。なぜか、心臓が、ドキン、とした。  え。――――つか、何で、脱いでんの。  強張ってるオレに、近づいてきて。涼真はオレを、ベッドに座らせてそのまま、押し倒した。 「翼、なんか、趣味悪いな」 「……っ?」  ちょっと怒ってるみたいに見える。 「翔の真似とか、すんなよ」  ――ずき。  なんか胸が痛い。  硬直してるオレに触れて。  ……いや。翼の体に、触れて。 涼真は、服を脱がせてきた。  え。何これ……。  固まりすぎてて。抵抗も出来ないまま。上半身裸になっていた。  閉じられた窓、消された電気、服を脱いだ涼真にベッドの上に押し倒されて、服を脱がされて。  ……翼が言ってた、全部納得済みって。  大好きだから、関係壊すなって。  ……全部、体は翼のだから、って…… え。こういう、意味?  え、オレに、これを、耐えろって、言ったの??  ――嘘、だろ……?  呆然として、動けないオレ。  ふいに、涼真の唇が、首筋に這う。驚いて、びくん!と体が勝手に跳ねた。 「……そんなに首、弱かった?」  ふ、と笑われて見つめられる。……男っぽい、涼真から、目が離せなくなる。  涼真が、何度も首筋にキスしながら、体の色んな所に、触れて。刺激して。  強張って戸惑ったまま、体の熱だけがどんどん上がっていく。 「……ん、……ふっ……」  声が、勝手に、漏れ始めた。  なん、だ、これ。  涼真と翼……こんなこと、して、たの?  オレと離れたのは……翼のこと好きだったから?   ……最近二人が会うようになってたのは、こういう関係になったから?   「……っあ……!」  涼真の手が、オレに……じゃなくて。翼のそれに、絡んで。激しく刺激する。  こんな状況でも感じるのは、翼の体が、涼真に慣れてるからなんだろうか。  勝手に声が上がって、こらえようと唇を噛みしめる。 「……んんぅ……ふっ」 「……いつもみたいに、言わねえの? エロい言葉」  ……っ言えるかよ……ばか……!  唇を手の甲で塞いで、涼真から顔を背ける。 「……翔っぽくしてンの?」  そんな風に言う涼真の声は、少し、怒ってる気がする。  急に激しくされて、あっという間に達してしまった。 「早いな、今日」 「――――……っ」  ほんとは、蹴り飛ばして、逃げたい。  でも。  翼が、大事にしてるから、絶対壊さないでと言ってたのと……。  ――――違う。それじゃない。  もう分かってる。オレは馬鹿だって。本当、死ぬほど馬鹿だって、分かってる。  こんな風に、オレに……翼だけど、でも、今は、オレに。  触れて、見つめてくる涼真に……。  …………抵抗、できない。  翼の、かわりでも。  一度だけ、でも。  馬鹿すぎる自分に、涙が滲む。

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