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[2] 部屋

 ジェラルドの背中を見つめながらレオネは海亀亭の二階へと階段を登った。この階段を女性以外と登ったことは無い。  ジェラルドが取っていた部屋は二階の一番奥だった。 「どうぞ、入って」  レオネは部屋に入るとどうしてよいか迷いドアを背に立ち尽くしていた。女性と一夜を過ごす時、自分はどうしていただろうか。緊張で思考が固まる。  ジェラルドはジャケットを脱ぎ椅子にかけると、レオネに近づいてきた。  レオネを見つめたまま互いの服が触れるか触れないかの距離まで間を詰め少し身をかがめた。  ……カチリ。  ジェラルドがレオネの身体を挟んで手を伸ばしドアのカギをかけた。まるで逃さまいとしているように感じてしまい、レオネの鼓動はより速くなる。  緊張と恥ずかしさで顔が上げられず、下を向いて硬直しているレオネにジェラルドが手を伸ばし耳のあたりから髪に触れてきた。ジェラルドの指四本が頭皮を探るように入り込んでくる。 「……レオネ」  ジェラルドにはじめて名前を呼ばれ、気恥ずかしさが全身を走る。レオネが視線をあげるとランプの光に照らされたジェラルドの野性味を感じる男らしい顔があった。  互いに視線を絡ませ、ジェラルドがそっと唇を寄せてきた。レオネの唇にそれが触れたと思った瞬間、ジェラルドは深くレオネの唇を喰んできた。唇の合わせをなぞり舐められ、薄く開いた隙間からジェラルドの舌が侵入してくる。その気持ちよさに全身が震えた。 「んっ……」  おずおずと自身も舌を差し出すと、ジェラルドの舌が獲物を見つけたように捕らえてきて、絡められ、吸われる。ピチャ……と鳴る水音。ふわりと感じるウィスキーの香り。女性とは違う大きな手で頭や耳を撫でられ、時折頬に当たるザラッとした髭の感触にも興奮してしまう。 「はぁっ……」  激しいくちづけに身体から力が抜け、姿勢を保とうとレオネはジェラルドに縋り付いた。ジェラルドもレオネの腰に腕を回し支える。 (こんな、キス初めてだ……)  レオネの今まで女性達にしてきたキスがいかに幼稚であったか思い知らされる。  やがて唇が離れジェラルドと再び目が合う。ジェラルドは優しげな瞳を向けフッと笑いもう一度レオネの唇の端に軽くキスをすると、そのままレオネを肩に担ぐように持ち上げた。 「バ、バラルディさんっ!」  ジェラルドより少しばかり身長は低いが、レオネもかなり鍛えて身体を作っているつもりなのでそれなりに重いはずだ。まさか持ち上げられると思っていなかったので驚いてしまう。  ジェラルドは数歩進んですぐのベッドにボフッ! とレオネを下ろし、さらに覆いかぶさりながら言った。 「ジェラルドと呼べ」  仰向けに倒された姿勢から、ジェラルドを見上げ彼の名を唇に乗せた。 「……ジェラルド」  自分でも驚くほど声が濡れ、媚びているように聞こえて猛烈に恥ずかしくなった。呼ばれた当人は満足そうに笑みを浮かべる。  ジェラルドのくちづけが再び降りてきて唇を合わせながら、レオネのシャツのボタンを外していく。  その時レオネはハッとした。  幸福感に流されていたが、ジェラルドに言わねばならないことがある。ここまできてから言うのは卑怯ではあるが……。 「ジェ、ジェラルド……あの私は……」  キスの合間に言葉を挟む。名残り惜しそうに唇を離したジェラルドがレオネを見下ろし、少し困ったように笑い問いかけてきた。 「なんだ? やっぱり無しとでも言うのか?」  レオネは必死に言葉を探す。 「えっと、今更で大変言いにくいのですが……」  そこまで言うとフッとジェラルドから笑みが消え、レオネは焦った。 「あ! いえ……今更嫌とかそういうことではないのです!」  早く簡潔に誤解の無いように伝えなければ、と焦り話を続ける。 「その……私から誘っておいてなんなのですが、……私、殿方とは……経験が無いんです……」  レオネの発言にジェラルドの目が眼鏡の奥で大きく開かれる。 「ですので……、恐らく最後まで……は出来ないかと。今更ですみません……」  男同士でどこを使うか知らないほど無知ではない。殿方から言い寄られたことも多々あるが、父ランベルトからの言いつけを破ってまで肌を合わせたいと思った人はいなかった。 「ふっ、ははは!」 ジェラルドが笑い、レオネを見つめて目を細めた。 「それは確かにある意味残念ではあるが、それ以上に嬉しい情報だな」  そう言いながらレオネのシャツに付いた最後のボタンを外す。 「で、君に触れる最初の男がこんな父親のような年の離れた男で良いのか? レオネ」  ジェラルドがレオネの開かれたシャツの裾から脇腹に手を這わせながら聞いてくる。 「ジェラルド……貴方は素敵だ。こんな気持ちになったのは、貴方が初めてです……」  レオネは恥ずかしさでいっぱいだったが、ジェラルドから目を逸らさずに想いを伝える。ジェラルドはレオネの唇に触れそうなくらい近づいて甘く囁いた。 「こんなに美しい男がそんなことを言ってくれるなんて、夢を見てるんじゃないかと思ってしまうよ」  そしてついばむように優しげなキスを降らせてきた。キスは唇から頰、首筋へと移動していく。 「レオネ、君の肌をもっと見ても良いだろうか」  耳元で囁かれるジェラルドの低く響く声にゾクゾクしてしまう。 「そんな、聞かないでください……」  それを許可と捉えたジェラルドは自身の身体を起こし、レオネを見下ろすとボタンを外したシャツをそっとめくる。肌が外気にさらされていく。『見る』と宣言されて見られる行為にレオネは羞恥心を煽られ身体が熱くなるのを感じた。恥ずかしさに耐えきれず腕で口元を隠しジェラルドの様子を伺った。  ジェラルドの瞳にはベッドサイドのランプの灯りがかすかに映り揺らいでいる。ジェラルドは大 きく深呼吸した。 「あぁ、レオネ……君は美しいな……」  ジェラルドがまるで独り言のように呟く。  ジェラルドはそのままレオネのスラックスの留め具にも手を掛けた。 「腰をあげて」  ジェラルドの言葉にレオネは素直に従った。  瞬間、下着と一緒にスラックスが一気に腿まで下げられ、レオネの中心がこぼれ出た。それは半分ほど勃ちあがっている状態だった。 「ジェラルド……!」 一度に下着まで脱がされると思っていなくレオネは驚いて声をあげた。しかしジェラルドは淡々とレオネの靴を脱がし、靴下と靴下留めを外し、スラックスと下着も取り去った。  レオネはシャツを腕に絡ませただけの姿でベッドに転がされる。流石に羞恥心に耐えられずレオネは肩を抱き横向きに丸くなった。 「レオネ、もっと良く見せて」  ジェラルドがレオネの太ももから尻にかけて肌をなで上げ耳元で囁く。その手の感触にもゾクゾクしてしまう。 「も、もう、恥ずかしくておかしくなりそうです……」  絞り出すようにレオネが言うと、ジェラルドは実に楽しそうにクスクスと笑った。 「そうだね。恥ずかしがる君はとても可愛いよ」  ジェラルドは丸くなっているレオネをひっくり返し、再び仰向けにする。身体を隠そうとするレオネの腕をシャツごと頭上て抑え込むと、半分勃ち上がってしまった中心部も含め全てをランプの灯りの下にさらす。そしてレオネの盛り上がった胸筋の形を確かめるようにゆっくりと輪郭に沿って撫でた。 「ん……」  レオネから微かに吐息が漏れる。  興奮からか肌寒さからか、胸の二つの突起が主張し始めていた。白い肌にことさら主張する薄紅色の片方ににジェラルドがそっと親指で触れた。 「はぁっ!」  レオネの身体が跳ね、思わず声を漏れた。しかし、レオネはすぐさま口を閉じ目を閉じ、その刺激に声をあげまいとする。  ここは安宿の海亀亭だ。壁が薄く他の部屋に音が筒抜けになる。娼婦を連れ込んでいる客も多いが、男の喘ぎ声など周りに聞かれたくないとレオネは思った。  そんなレオネの苦悩もお構い無しにジェラルドはさらに刺激を加速させる。レオネの腕の拘束を解き、両手で両方の突起を嬲り始めた。指の腹で押しつぶしたり、挟んだり、爪の先で弾いたり。  レオネは解放された両腕で口を塞ぐ。シャツを噛み耐えるが、鼻から甘く声が漏れてしまう。 「んっ、んっ、んぁ……」  胸の飾りの紅色がより濃くなり出した頃、ジェラルドはそこに唇を寄せ、ぬろっと舌で撫で、ぢゅっと吸い上げた。 「はっ、ぁん……」  強い刺激にレオネの腰が跳ねる。  レオネはそっと自分の胸に視線を向けた。  ジェラルドの頭がすぐ目の前にあり、ツンと勃ち上がった乳首がジェラルドの赤い舌によって弄ばれている。視界から入った刺激にレオネはより快感を感じてしまい、股間が痛いくらい張り詰めてくる。  これまでも女性たちにそこを舐められることはあったが、くすぐったいと感じるだけだった。  今夜出会ったばかりで、先程まで真面目な話をしていた男が、今自分の胸に顔を寄せてその舌でその突起を舐め、吸っている。興奮と高揚感に包まれ、その光景から目が離せなくなっていると、視線を上げてきたジェラルドと目が合った。 「気持ちいいか」  両方の突起を強めに指で摘まれる。 「あっ! あっ、ジェ……ラルドぉ……」  さらに摘まれた先端のうち左側にだけ見せつけるように舌を這わされ、レオネから耐えきれなかった大きめの喘ぎ声が漏れ出る。 「ひゃあぁっ!」  あわてて腕を口を戻し声を殺す。  今度は左胸の突起からジェラルドの手が離れ、舌だけの刺激になった。右側はそのまま指で嬲られる。するとジェラルドの空いた手がレオネの股にある勃起している中心を優しく包みこんできた。 「んんーっ!」  ジェラルドは優しくレオネ自身を扱き始めた。両胸を指と舌で刺激され、中心部も扱かれ、強い快楽に全身から汗が出る。  はぁはぁと荒い呼吸をしながら快感に耐える。  チュッと音を立てて乳首からジェラルドの唇が離れ、顔をあげたジェラルドがレオネの顔を覗き込んできた。変わらずジェラルドの手によって片方の乳首と、ペニスが刺激され続けている。 「出していいよ。見ててあげるから」  優しい声色で卑猥なことを言う。 「あっん……ェラ、ルドぉ……ジェラ……ド」  甘く強烈な快楽に脳が支配され、もはや彼に甘えることしかできず名前を意味なく呟く。 「ああ、可愛いね。腰が揺れちゃってるよ」  ペニスを握り込まれ、扱かれ、亀頭を親指の腹でグリグリと刺激される。乳首も相変わらず嬲られ続け、レオネはとうとう絶頂の波を迎えギュッと目を閉じた。 「んんんっ!」  ビクビクと痙攣しペニスから白濁の蜜が勢いよく吹き出し、自身の腹を汚す。はぁはぁと酸素を貪る自分の呼吸がうるさい。  痺れるような快楽の波が引いていくのを感じつつ、ゆっくりと目を開けると目の前に居たジェラルドと目が合った。仄かな笑みを浮かべて見つめるジェラルド。射精の瞬間も顔を見られていたと思うととても恥ずかしい。  ジェラルドは何も言わずにレオネの瞼にキスを落とす。レオネは口を塞いでいた両腕を外し、ジェラルドの顔へと伸ばし、両手で彼の頬に触れた。伸びつつある髭の粒が指先にザリザリと当たる。レオネはジェラルドの顔を引き寄せ唇へのキスをねだった。ジェラルドはレオネの要求に応え、深いくちづけをしてくる。舌を絡ませる卑猥なくちづけにまた全身の血が熱くなるのを感じた。 「……理性が焼き切られそうだ」  ふいにジェラルドがボソッと呟き、レオネから顔を離した。離れるジェラルドに寂しさと不安を感じて見つめる。ジェラルドは眼鏡を外しサイドテーブルに置くと服を脱ぎ始めた。一枚ずつ衣が剥がされ、ランプの灯りでたくましい肉体のシルエットが浮かび上がる。大きく盛り上がった背筋や上腕筋、そして太い腰回り。  ジェラルドはレオネの両脚を掴み、軽く開かせるとその間に自身の身体を置き、膝立ちでレオネを見下ろした。自身の開かれた脚の間に全裸の筋骨隆々の男がいる。その男の股間の堅くいきり勃つものが目に入った。レオネのものより長く太く、エラが張り出し血管が浮き出ている。色も濃い気がする。レオネはカッと顔が熱くなるのを感じて目をそらした。  ジェラルドはレオネのペニスをそっと手のひらに乗せ、まるで小鳥を掴むように優しく握ってきた。レオネのそこは先程の射精で一度は力尽きたが、今はまた少し芯を持ちはじめている。そして、ジェラルドは握り込んだそれに唇を寄せてきた。何をされるのか察したレオネは慌てて身を起こし彼を止めようとした。 「ジェラルドっ! だめですっ……!」  レオネが止めるのも聞かず、ジェラルドはレオネのペニスに舌を這わせながら、その肉茎全体を口で包んだ。そして、先程射精された残滓を舐め取るように鈴口へと舌を這わせる。 「ああっ! だめ、そんなとこっ……!」  強烈な刺激にレオネのそこは再び硬く張り詰めてだす。逃れようとジェラルドの肩を押すが、逆にジェラルドの両手がレオネの腰と太ももに絡みついて離そうとしない。 「はっ……はぁん、ジェラ……ドぉ……」  もはや声を殺すことも忘れて、レオネは切なげに喉を鳴らす。  口淫はしばらく続いたが、レオネが達する前にじゅる……と音を立てて、ジェラルドの口がそこから離れた。解放された安堵感と、快楽の途中で投げ出された喪失感が、せめぎ合う。 「レオネ、君のここにも触れたい。ケガをさせるようなことはしないと約束する」  ジェラルドの右手がレオネの尻の合間奥をなぞり、中指でその蕾をかすかにノックしてくる。レオネはそう言われ戸惑ったがジェラルドになら何をされてもいいと思い、微かに頷いた。  許可を得たジェラルドは、レオネの脚をさらに大きく開かせ、胸につくほど折り曲げさせた。 「い、嫌だっ……こんな!」  あまりに恥ずかしく情けないポーズにレオネは初めて拒否の言葉を口にした。しかしジェラルドはもうそれを聞いてはくれなかった。そしてあろうことか、レオネのその固く閉ざされた蕾に舌を這わせてきた。 「や、やだ……! ジェラルド、そんな……汚い…!」  ペニスを舐められるのだって抵抗がある。しかし娼婦には舐めてもらったことはあるし、まだわかる。娼婦にやらせているようなことをジェラルドにやらせるから申し訳無さがあるのだ。だか、尻は娼婦にだって舐めさせたことなどない。そんなことをジェラルドが今しているだなんて!  必死に身をよじって抵抗を試みるが、ジェラルドがガッチリと押さえていて逃げられない。さらにジェラルドの舌が蕾を押し開き、先端が少しだけ中に入ってくる感覚がした。ゾワゾワと初めての感覚が上がってくる。 「綺麗な孔だ。ヒクヒクしてて可愛いよ」  舌が蕾から離れ今度はペニス下にある袋部分をぬろっと舐めてくる。中の入っている二つの玉を弄ぶように口に含んで舌で転がされる。 「あんっ!あっ、あっ……!」  またもや予想外のことをされ、思考はパニック状態だ。脚を腰ごと大きく曲げさせられているので、視界に自身のペニスが見える。そこは硬く張り詰め我慢しながらも透明な涎をたらしていた。 「指、一本だけ入れるよ」 そう宣言すると同時に、指がくにに……と中に入ってくる。先程の十分に舐められたせいか濡れたそこに痛みは感じない。ただ物凄い異物感だ。 (指一本でこれなのか⁉)  到底男性器を受け入れるなんて不可能だ。男性同士のが肛門で性交するなんて嘘だったのではないかとさえ思えてくる。先程のまで張り詰めていたレオネのペニスも萎れかかる。 「なんて……慎ましやかな」  ジェラルドがつぶやく。それでも指はゆるゆるとそこをほぐしながら、時に戻りながらゆっくりと奥へと進んでいった。やがてジェラルドの指が根本まで入った。……らしい。レオネにはそれが中指なのか人差し指なのかもわからない。ただただ異物感に耐える。 「キツイな。だか中はとても柔らかくて温かい」  ジェラルドがレオネの腹の中で指を動かす。中を何か探るように動いていた指がある一点をかすめた時、 「ひゃぁあっっ……!」  強烈な刺激が全身を駆け抜けた。 「ここか?」  ジェラルドが見つけたと言わんばかりにそこを執拗に攻めてくる。ビリビリと脳天まで突き抜けるような刺激だ。萎えかけていた中心部も再び硬くなる。 「ああんっ! だめっですっ……! なんかっ、へんっにな……る……!」  強すぎる快楽に怖くなり、身を起こしジェラルドに縋り付く。しかしジェラルドは指を止めることはなく、あろうことかレオネのペニスにも手を伸ばし優しく扱いてくる。 「大丈夫。そのまま快感に身を任せるんだ」  優しい言葉でレオネ宥めるが、離してくれる気は無い。もはや考えることが出来なくなっているレオネはジェラルドにしがみついて、この快楽の嵐に耐えるしかない。 「ほら、ここだろ?気持ちいいだろ?」  しがみついてきたレオネに優しくジェラルドが囁く。 「んっ、あっ……きもち、イイ……!」 「そうだね……。いい子だ……」  孔のその弱い部分をさらに強くグリっと指の腹でえぐられ、握られた中心部も速いリズムで刺激される。 「あっ、あっ、だめっ、来る……ん…!」  やがてレオネは二度目の絶頂を迎えた。  視界が真っ白になりチカチカと星が飛ぶ。初めて経験する種類の快楽。意識が有るのか無いのか、夢なのか現実なのかが曖昧になる。  レオネはぁはぁと息を乱し、焦点の合わない視界で宿の天井を眺めた。 「……流石にもう、私も限界だ」  ジェラルドがそうつぶやく。  ジェラルドはレオネのペニスを握っていた手で、レオネの精液を塗りつけるように己の男根を扱く。眉間に皺を寄せ目を閉じた苦悶な表情。見つめているとジェラルドがレオネを見つめ返してきた。笑みが消え余裕が無くなったその眼光。レオネに対して欲望を滾らせ、肉食獣が獲物を捕らえようとするかのような眼にレオネはうっとり魅せられた。  するとジェラルドは開かれたままのレオネの脚の間に自身の中心を持っていき、レオネの少しだけほころんだその蕾にグニグニと擦り付けてきた。 「あ……ジェラルド……」  そのまま突き入れられるのではとレオネは身構える。 「入れないよ……。でも少しだけここを味わせてくれ」  ジェラルドの希望にレオネは自ら脚を開き、受け入れる態勢を作った。ジェラルドは自身の肉茎を扱きながら、亀頭部分をレオネの蕾に押し当てた。  レオネはもう入れられても良いと思っていた。そこが裂けても彼と繋がり、彼と一つになりたいと。しかしそれを言っても彼を困らせるだけだと感じ、わずかに残った理性で押し留める。  レオネの精液を塗りつけられたその熱塊は蕾の周囲をぬらぬらと擦る。 「ん……、あぁん」  『欲しい、欲しい』と思っているとそれだけで感じてしまい吐息が漏れる。 「吸い付いてくる……」  ジェラルドが微かに笑う。レオネも自身の蕾がヒクヒクとジェラルドの亀頭を喰もうとしているのを感じた。 「ジェ、ジェラ……ルドッ……」  欲しくて、苦しくて、彼の名を呼ぶ。  名前を呼ばれたジェラルドの視線がレオネの下腹部から顔へと上がってくる。その途中でレオネの勃ち上がったペニスに気付く。 「若いな……。もうこんなにしているのか」  ジェラルドはレオネの蕾からペニスを離し、レオネのそれと自身のそれを合わせて一緒に握り込んだ。大きさの違う二本の肉棒。レオネだって決して小さいわけではない。そこそこ女達を悦ばせて来たつもりだ。だがジェラルドのものと合わせられると大きさと色の違いに驚く。  ジェラルドは二つの肉茎を握り激しめに手を動かす。 「あんっ!あっあっ、ジェラルド!」 ジェラルドは扱きながらレオネに顔を寄せ囁いた。 「ああっ……レオネ……いいよ」  そして、またレオネの胸の薄紅色の飾りに舌を這わせ吸い上げる。ペニスと乳首の両方を攻められたらもうレオネは我慢できなかった。 「あっ、あっ、いいっ! あああっ!」  レオネが先に達し、薄い精液が零れる。レオネが達してもジェラルドはレオネのペニスを一緒に握り込んだまま激しい動きを止めない。レオネの出した精液が混じりぐちょぐちょと卑猥な水音を立てた。射精直後で敏感になっているそこを激しく弄られレオネはその強烈な刺激に必死に耐える。ジェラルドが自分に欲情し達しようとしていることが嬉しかった。  ジェラルドは射精の直前、舐めていたレオネの胸から口を離し、息を詰めた。 「くっ……」  ビシャッ!とジェラルドのペニスから大量の濃い精液が吹き出し、レオネの腹にかけられた。  はぁはぁと荒いジェラルドの息を胸に感じながら、レオネは初めて体験する激烈な幸福感に包まれていた。

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