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凛々奮闘記15
おれが見たのは、たかちゃんが、汗を拭う、姿。
そんなものは見慣れたはずで、いつもやっているような何気ないもので、でも、でも、なんか……かっこいい……。
心臓の鼓動が倍速になる。
自分でも訳がわからない。でもとにかくたかちゃんがかっこよかった。
「んっ……どうした、凛?」
「な、なんでもっ……」
心臓にその姿が刺さるとともに、中はたかちゃんのちんこを締め付けた。当然、たかちゃんは不思議に思う。
おれは思わずたかちゃんに抱きついて顔を隠した。
だって意味わかんない。どうして、なんで、急に。
たかちゃんがキラキラ輝いて、かっこよくて。
あり得ない。かっこいいなんてあり得ない。恋人にそれは失礼かもしれないけど、今までこんなこと、なかった。だってたかちゃんは小さい頃から一緒だった幼馴染で。
……そうか、たかちゃんは、おれの恋人。
もう幼馴染じゃなくて、恋人なんだ。友達じゃなく、恋人。
だから、かっこいい。そうなの、かも。
おれが気づいていなかっただけで、いや、緩い感覚を脱せていなかっただけ。
そう思い始めると、何もかも恥ずかしい。
たかちゃんのちんこが中に入っていることも、かっこよすぎて見られないことも、心臓の高鳴りも。
たかちゃんに気づかれたくない。恥ずかしい。とにかく恥ずかしいから。
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