71 / 961
崩壊と萌芽19
「あっ……ひゃあ……ん」
「二本目、挿れるね」
「……ぁあ、やぅ……」
人差し指に追いつくように中指が入ってくる。奥の方を擦ったかと思えば、次は膨らみを押す。
次から次へと止まらない快感がやってくる。
すると直接触られていないのに僕のものは熱くなる。じくじくと疼いて、中身がせり上がってくるよう。
「そ、そう……あん……もう……」
「イきそう? いいよ」
「や、やだっ……いっしょ、が、いい」
自分ばかり気持ちよくなるのは嫌だ。それじゃ本当に淫乱みたい。気持ちいいことを望む、あの人の言った僕と、同じに。
また出てきそうな顔を振り払う。
とにかく今は颯太を感じたい。颯太を感じて、かき消して欲しい。
抱きつく力を緩めて颯太の唇に吸い付く。全部繋がって、全部で颯太を感じたい。
「……だめだよ。まだ少しきつい」
「いいの。痛くても、いい。お願い」
颯太の瞳をじっと見つめて懇願する。
普段はこんなに強く主張することはない。それは颯太も知っている。
「……わかった」
溜め息を吐き、困ったような笑みで返事をくれる。
「んっ……」
指が抜け出て、カチャカチャとベルトを外す音がする。そしてすぐに熱いものが孔にあてがわれた。
何もしていないのにちゃんと勃っている。そのことに少し安心した。
「挿れるからね」
「うん……」
宣言と同時にズッと硬いものが入ってくる。
少しきついし、痛みも無いとは言えない。だけど受け入れたい。受け入れなければ、怖い。
颯太に顔を寄せるとちゃんとキスをくれた。舌が絡むと気持ちよくて夢中になる。その間に颯太は腰を進める。
「ンゥッ、んむっ」
できるだけ刺激をしないよう、弱いところは避けて奥に迫る颯太のもの。
極力優しくしようって気持ちが伝わってきて、胸のあたりが熱くなる。
ともだちにシェアしよう!