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「顔見られるのが嫌ならこうしよーぜ。初心者はこっちのが楽だって聞いたし」 優しく腕を解かれたと思えば、体を反転させられる。 確かにこれなら枕に顔が埋まる。お互いが視界に入らないということだ。 それにこの方が楽、だと。つまり僕の負担が減るということだろうか。 誠也に腰を持ち上げられて、尻だけ高く上がる形になる。今すぐ消えてしまいたいくらい恥ずかしいが、なんとか堪えた。 「本当に嫌になったら言えよ」 「……ああ」 カチャカチャとベルトが外れ、制服のズボンと下着が全て取られる。 まとうものがなくなるだけで、こんなに心許ないのか。たとえ下だけとはいえ。 「……ひっ」 「おお」 「な、何するんだ!」 「いやー、悪戯心?」 いつ指が来るんだと待ち構えていたら、するりと尻を撫でられた。 悪ノリするこいつにも、つい声を漏らした自分にも苛々する。もう本当に恥ずかしい。 こうなったら意地でも声を出すものかと、枕を強く掴んで顔を埋める。 背後では誠也がベッドの近くを漁る音がした。 すぐにその音はやみ、今度は蓋をあける音。きっと潤滑剤だ。 「んじゃ、まずは一本な」 「んっ……」 ローションにまみれた指が孔に添えられ、入ってくる。ひきつれた痛みがする。僕の体が、異物を押し出そうとしているのがわかる。 誠也は無理やりしようとしないで、ゆっくり指を進めていく。 「きついな……痛いか?」 「……っ、大丈夫だ」 「男を抱くの初めてだからすぐ言えよ」 「わかった」 今のところ気持ちよさはない。結構痛い。 だが誠也はずっと我慢してくれていたらしいし、僕の望みでもあるから、ひたすら耐える。 ……と、ある一点に指が触れると、びくんっと体が反応した。 気持ちいい、のかもしれない。しかしそうと脳が理解する前に、無理やり快感を体に流し込まれるようだ。 「どうした? ここ、いいのか?」 「うるさっ……やっ、あっ」 返事をしようと顔を上げた瞬間、また同じところを擦られて声が漏れる。 「へぇ……そんな声、出せんのか」 「黙れ……んんっ」 同じ失態は犯さない。 声が出そうになったらすぐに枕で隠す。こいつをいい気になんかさせるか。 「顔上げろって」 誠也の声に思い切り首を振る。すると沈黙が落ちてくる。 「……まあ、いいか」 何を考えたのかわからないが、とにかく誠也は諦めたようだ。 時々その変な一点を擦りつつ、誠也は指を動かして中を慣らしていった。 「んっ!? んぅ……」 ゆっくりやってくれているおかげで、痛みは消えていく。すると急に前を掴まれた。 前をしごきつつ、中を擦る。 確かにこの方が中がほぐれるのは早い。だが僕は困る。快感が絶え間なくやってくれば、おかしくなる。 枕から顔があげられなかった。

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