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まるで激しい運動をした後のように心臓が鼓動している。 だが、言った。ちゃんと誠也の顔を見て。 珍しく素直だなってからかわれる危惧はあった。しかし予想とは裏腹に、誠也は嬉しそうに笑ったのだ。 「了解」 そして優しくキスをされた。すごく久々に感じる。 どちらともなく舌を絡ませ、その間に体の向きが変わっていく。 正面から抱き合って、夢中で唇を合わせた。唾液が唇の端から零れていく。 「挿れるぞ」 「ああ」 誠也が額を合わせて、そう宣言する。かかる息が熱い。 とうとう繋がるのかと思っても、恐怖はなかった。触れ合った額から互いの熱を享受しあっているみたいだ。つまりすごく安心する。 孔に熱く猛ったものが当てられる。一呼吸置いて、ズッと入り込んできた。 「いっ……」 「悪ぃ」 「だいじょぶ、だ……」 指とは比べ物にならない質量。 多分こいつのは人よりでかい、と思う。だから余計にきつい。 ただもう後に引ける状態ではない。 誠也を見ると、彼もきつそうな顔をしていた。だがそれでもゆっくり腰を進めてくれる。 「ひっ……うっ……」 「柊……柊……」 気持ちいい一点を通り過ぎ、誠也は奥へと迫っていく。 目を瞑り、僕の存在を確かめるように、誠也は何度も名前を呼んだ。少し苦しそうで、汗ばんでいて、そんな顔が愛しく思える。 キス、したい。でも、今は、だめ。 内側から熱がじくじくと伝わってきて、素直な気持ちが浮かんできた。 誠也の頬に手を触れてみる。するとその瞳が開いて、黒が姿を見せた。 誠也の口元が笑みに変わって、誠也の性器が最奥まで届いた。 「誠也……」 「なんか……幸せだわ」 僕の返事はキスへと変わる。 誠也とのキスは心地いい。唇が触れ合うとそこから熱が注がれて、体に溶けていく。 唇を奪い合って、重ね合って、舌を触れ合わせて。 その間に腰は少しずつ動き始める。 「……あっ……んぅ」 誠也の口が離れて、首元へいってしまう。その瞬間、漏れ出た声。慌てて口を噛む。 「んっ、んっ……」 「柊? おい、唇噛むんじゃねぇよ」 「んあっ……あっ、やめっ……」 首筋に跡をつけていた誠也が不思議がって僕を見る。僕の行動に気づいたようで指を口にねじ込んできた。 そうなれば声を聞かせる以外に道はない。 「やめねー。声聞かせてくれよ」 「阿保っ……ひゃっ、あっ」 「そうそれ」 「あっ……馬鹿! ひぁんっ……」 嫌だ。物凄く恥ずかしい。 誠也が嬉しそうに笑うのを見て、余計恥ずかしい。 もうどうしようもなくて、顔を手で覆った。頬が熱くて、涙も滲んで、本当に、最悪だ。 誠也が勢いよく腰を打ち付けるたびに快感が体内で破裂する。もう痛みはなかった。 甘くて、気持ちよくて、心地いい。 そんな快感は全て自分のものに繋がっているみたいだ。

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