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ご注文は5

「……んっ、んぅ」 打ち上げをこっそり抜け出して、颯太の家に帰った途端、無理やり唇を奪われる。玄関付近の壁に押し付けられて何度も何度も口付ける。 僕はその体を懸命に押し返す。 「颯太、久志さんが」 「今日はいないよ」 「んんっ……」 そうなれば抵抗する気なんて奪われてしまう。 だってずっとシたいって感じていたから。 夢中でキスしていると、僕と颯太の落とした持ち物が音を立てる。颯太が持っていた紙袋に僕の脚が当たる。 そういえば、これ何だろう。学校を出た時から颯太はずっと持っている。 「気になる?」 「うん」 「メイド服とウェイター服」 「え? 貰ったの?」 「最初の時にもう一つ条件があるって言ったでしょ? それこれのこと。これでいつでもメイドの亜樹が見れる」 嬉しそうに笑う颯太に悪寒が走る。 そういえば学校で抜き合いした時、まだ汚せないとか言っていた。最初から貰って、家でこれを着てえっちするつもりだったんだ。 メイドの僕がウェイターの颯太に。少し想像して、息が荒くなる。 「ごめんね、亜樹。今日は使わないよ」 「べ、別に期待なんかしてないよっ」 「期待? 俺そんな言葉使ってないけど?」 「……っ」 「ふふ、可愛いね」 「ひゃあ!」 すると急に体を持ち上げられる。前にもされた、お姫様抱っこだ。恥ずかしいから嫌なのに。 真っ赤になった僕の顔にまた颯太はキスを落とす。それで固まった僕を颯太は自分の部屋まで連れていく。 そして颯太のベッドに降ろされて、同時にふわっと颯太の匂いに包まれる。 それだけでずくって疼く場所がある。 「初めてだね、ここでするの」 「そうた……んっ」 またキスをしてお互いの服を剥ぎ取っていく。ネクタイやワイシャツ、ズボンが床に無造作に重なっていった。 素肌でお互いを感じて、颯太がいつも使っている布団に身を沈めて。 「あれ、亜樹……キスだけで勃っちゃったんだ」 「ちが、やっ、言わないで……」 お互いの瞳の中まで見えてしまいそうな至近距離で囁かれる。 くちっと颯太の手が僕の性器をいじる。

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