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ホテルにて7

「ほら亜樹、手動かして」 「だ、だめ……できない……」 「そっか」 「ひっ! ちが、やっ」 ふるふる首を振る亜樹に頷いて、俺が亜樹の手の上から性器を握る。ゆっくり手を上下に動かすと亜樹は髪の毛を揺らして喘ぐ。 その様子をじっと見つめながら手は止めない。はっきり言って互いの硬いものが触れ合うというのは結構な刺激だ。しかも亜樹が目の前にいるから余計に。 「あんっ、アァ、ひぅっ……そうたぁ」 「うん。俺も、気持ちいい」 「ひゃんっ、ヒ、アッ!」 「亜樹……」 「颯太、んっ」 亜樹が顔を上げてくれる。そこにすぐさま吸い付いた。お互いの唾液が零れるのも構わず舌を絡め合う。 亜樹が俺の舌に頑張って答えるのとか、その間も止めない性器への刺激とか、単にキスの心地よさとか。諸々が溶け合ってどんどん限界が近づいてくる。 「んっ……はぁ、あぁん、あっ、もうイッちゃ」 「一緒にね……」 「うん、ひぁあ、あっ……あぁっ」 「……くっ」 体に塗られた泡に違う白いものが混じる。二人分だからそこそこ多く、胸の上の方まで届いた。 一回の射精で疲れてしまったのか、亜樹はこてんと俺に寄りかかってくる。その頭にキスを落とすと俺はシャワーを取った。 精液もろとも体にまとわりつくものを全て洗い流した。 「亜樹、大丈夫?」 「……うん」 亜樹に手を貸して立ち上がるとまず亜樹を先に浴槽から出した。亜樹が体を拭いて、服を着て、外に出るのを待って、俺も浴槽から出た。パジャマ代わりの服はまだ荷物の中だから、脱ぎっぱなしの制服を着た。 そして風呂場を出ると、亜樹は自分のベッドに座っていた。俺に背を向ける状態で。 亜樹はもう部屋着に着替えているから、とりあえず俺も着替えた。 「あーき」 そして愛しい人のご機嫌とりに向かう。 亜樹は不貞腐れて頬を膨らましている。そんな可愛い亜樹に後ろから抱きついた。 「修学旅行なのに……お風呂で、あんな……」 「亜樹と触れ合いたかったから」 恥ずかしさで戸惑う亜樹を優しく抱きしめ、その頬にキスを落とす。俺の言葉に亜樹の表情が少し和らぐ。 それを機に俺は亜樹を抱いてベッドに寝転んだ。 「一緒に寝ようね」 「……うん。寝る」 寝るには早めだったけど、明日も早いし、今朝は早かったからと、早々に抱き合ってベッドに潜る。 目覚ましを入れて、枕元のスイッチで電気を消した。

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