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第7話

楓がいることでいつもより賑やかになる夕食時間のおかげで余計な事を考えることは無く、あのドロドロとした感情が薄れていくのが分かる 時間も遅くなり「もうそろそろ帰るよ。」そう言って立ち上がる楓を玄関まで見送れば「1人で考え込んで悩むのはやめろよ。どんなくだらない事でも何でも聞くから。」そう言いながら俺の目をまっすぐ見てきた。 その真っ直ぐな目を見ていられなくてつい逸らしてしまう すると「分かったか?」と念を押される それに俺は黙って頷いた 楓が帰った後、部屋に戻れば携帯に通知がきていた [今日は慌てて出る事になってごめんな。恋人にヒートがきたみたいでさ、、、その頃には落ち着いていると思うけど、念の為様子見るために一緒にいたいから来週の勉強会はお休みでもいいかな?] はるにぃからのそのメッセージに思わず乾いた笑みが出る そのメッセージに返事をすること無く電源を落としベッドに体を沈め目を閉じた それから数日、はるにぃに返事をすること無く過ごしていく そして迎えた水曜日。どうせ来ないだろう、そう思っていたらチャイムがなる 玄関を開ければはるにぃがそこに立っていた 「はるにぃ、、、」 「良かった。体調崩してたわけじゃないんだな。」 「なんで、、、」 「メッセージ、既読ついてたけど返事ないからさ、ちょっと心配になって。」 そう言って俺の顔色を伺うはるにぃに心臓がとくんと音をたてる "恋人といるって言ったはるにぃが来てくれた。俺の事を心配してきてくれた。やっぱりはるにぃにとっては俺が、、、" そう思った瞬間「じゃあ俺行くな。」そう言った。 「えっ、、、」 「今週までは恋人の家で過ごす事にしてさ、荷物を取りにきたついでに尚也の様子を見に来たんだ。何も無くてよかったよ。」 はるにぃはそう言うと一歩俺に近付き頭を撫でると「今日はほんとごめんな。じゃあまた来週。」そう言って背中を向けた。 「待って」そう言って慌てて伸ばした手は間に合わなくて空をきる 「はるにぃ」小さく呟いた声は届くことも無くはるにぃの背中はどんどん遠ざかっていく "待ってよ、、行かないでよ、、今日は、、今日だけは一緒に、、、約束だったじゃん、、嫌だ、、、" 心の中でどんだけ叫んでも届くはずもなくて どんどんボヤけていく視界にはその背中はもう見えなくて

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