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第6話

ほぼ無意識の状態だった 名前を確認することなく電話に出る 「もしもし」 「、、、、」 「尚也?」 電話に出ても一言も話さない俺に電話の相手が少し戸惑った声で名前を呼ぶ それでも返せずにいたら電話が切れたと同時にチャイムがなる 「なおやーいま手が離せないから出てくれる?」という母親の声が聞こえて立ち上がり玄関へ向かう ドアを開ければ楓が立っていた 「かえで、、どうしたんだ?」 「どうしたってお前が電話に出ても何も話さないから」 そう言われて "あぁそう言えば電話がきてたような、、、" そう思っていれば「また何かあったのか?」そう優しく聞かれる その言葉に何も返せずにいれば、後ろから母親がやってきて「楓くんだったのね。上がってく?」と声をかけてきた。 「いえ、すぐに行くんで大丈夫です!ありがとうございます!」 「そうなの?残念、、、」そう言いながら母親は再びキッチンへ戻って行った。 何も言えず黙っている俺の方に向き直った楓は「少し歩きながら話さない?」と声をかけてきた その言葉に顔を上げ頷けば「寒いから上着持ってきなよ!」そう言って笑顔をみせた リビングに置いていた上着を手に取って母親に声をかけ一緒に外に出る しばらく無言で歩いていたがふと気になって「そーいえば電話何だったの?」と問いかけた。確か俺が電話に出たけど返事がないから家へ来たんだよな?そう思い返していれば 「あー、、、コンビニ行く途中に はるにぃが慌てて走っていくのが見えてさ、ほら今日って勉強会の日だろ?いつも勉強会の後は一緒にご飯も食べるって言ってたのに何でかなって思って。」 「それは、、、、」 「うん。」 「恋人が、、ヒートになったみたいで、、、それで、、、、」 「そーいう事か。」 それから何も言えなくなった俺に楓は「辛いな。」それだけ言うと口を閉じた またしばらく無言の時間が続き気付けばコンビニが目の前に見えてきた 「よし!特別!俺がなんか奢ってやる!」 いきなり大きい声でそう言い始めると俺の手をとりコンビニまであと少しの距離を走り始めた 「ちょっと待って、危ないから、、」 そう言って止まろうとする俺に楓は「ほらちゃんと走って!」そう言って笑顔でこちらを見るその姿に諦めて手を引かれるまま走る 入口付近に近づいたとこで止まり2人して肩で息をする その姿に何だか笑いが込み上げてきて吹き出せば「走ったことで、、はぁはぁ、、少しスッキリしただろ?」なんて息も絶え絶えに言うもんだから余計に面白くて、、、 何とか落ち着かせ店内に入れば弁当のコーナーに向かう楓に問いかける 「夕飯買うのか?」 「あぁ、今日は両親とも遅いからな。」 「それなら家で食べたらいいのに、、」 「そんな急に失礼だろ。」 「はるにぃの分もたくさん作ったって言ってたから食べるって言ったら母さん喜ぶと思う。」 そう言って携帯を取りだし母親へメッセージを送ればすぐに [大歓迎!!] と返事がくる そのやり取りを楓に見せれば「それじゃぁお言葉に甘えて。」なんて手を合わせるからクスッと笑い合う。 2人でアイスやお菓子をどっさり買って外へ出れば楓が手を出してきた。 不思議に思って顔を見れば「また走るんだろ?」なんていたずらっ子のように笑う。「嫌だよ。もう疲れた。」と心底嫌そうな顔を見せれば「えぇぇぇ」なんてオーバーなリアクションを見せる。 そんな楓を無視して歩き出せば「隙あり!」なんて言って俺の手を取り走り出した。 結局家まで走ることになり着いた頃には2人して汗だくで、、、 そのまま順番にお風呂に入ることになりそれがさらに気持ちをスッキリさせていった

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