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第14話
入学して1週間がたった頃担任から「入学時に受けたバース診断の結果そろそろ家に届くと思うから確認しとけよー。」と伝えられた。
「もう今日届いてたりして、、、」
帰り道いつもの様に楓と並んで歩いていればポツリとそう呟く。
「もしそうだったら一緒に見る?」そんな楓の提案でお互い届いていたら俺の家で一緒に見ることが決まった
ドキドキしながら確認するメールボックス
すると1枚の白い封筒が見えた
手に取っみればバース診断結果在中の文字
[届いてた。] そう一言楓にメッセージを送れば少し後に [俺も、今から向かうわ。] の返事
先程よりも緊張が高まっている中楓の到着を今か今かと待っていればそれを告げる音がなる
出迎えて俺の部屋に行けば2人して同じ顔で封筒を見つめる
「どっちから見る?」
「楓からでいいよ」
「えっ?俺から?」
「あっ、嫌だった?じゃあ俺から?」
「いや、嫌ってわけじゃないけど、、、」
「けど?」
「うわー緊張やべぇ、、、」
「んー、じゃあ2人同時にする?」
「そうだな、、そうしよう!」
2人で封を切り1枚の紙を取り出す
2つに折られたそれをあとは開くだけ、、、
「いくよ?せーの。」楓のその言葉に少し震える指で開けば
最上尚也(男性) 15歳 β(ベータ)
そう書かれた文字が見えた
ベータ、、、そっかベータか、、、
持っていた紙が手から滑り落ちる
楓が拾い渡してくれる
だけどそれを受け取ることなく言葉が口から溢れ出す
「俺さ実はオメガなんじゃないかって期待してたんだよね、、、勉強も運動も得意ではないからアルファじゃなくてオメガなんじゃないかって、、俺の両親アルファとオメガだし、、楓も言ってくれたじゃん?俺の顔綺麗な方だって、、、だからちょっと期待してたんだよな」
「なおや、、、」
「あーあ、ベータじゃアルファのはるにぃと一緒になる事なんて出来ないや、、、こうなるからあの時はるにぃに恋人できたのかなぁ」
「ほんとはさ、これで俺がオメガでヒートとかきた時にはるにぃに頼ったりしたら俺を選んでくれるんじゃないかってズルい事まで考えてたんだよね、、、だからかな、、、嫌だよねこんな奴、、、」
うっすらと滲む視界、、、下唇を噛みながら堪えていれば楓が目の前に立ちそっと手で触れながら「痛いだろ、我慢するなよ、、、」そう言って俺を抱きしめてきた
ゆっくりと俺の背中を撫でてくる
その温かさに優しさに堰を切ったように涙が溢れ出す
もう諦めよう、、、
本当は恋人ができた時に諦めなきゃいけなかったのに、、、
未練がましく想い続けてしまった。
これからはこの気持ちには蓋をして過ごしていこう
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