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第29話

新居は楓と隣同士の部屋を借りた 何かあった時の為にお互いの合鍵も持つ事になった 学校が始まるまで買い物を済ませ何とか生活出来る状態にしいいスタートが切れそうだと思っていた だけど疲れが出たのか入学式まで残り数日という所で熱が出てしまった 「まじかぁ、、、」 38.8と記された体温計を見つけボソッと呟く 起きた瞬間からダルイとは思ったけどここまで熱があるとは、、、 今日は楓と入学式の会場まで確認のために出掛ける予定だった サイドテーブルに置いていた携帯を手に取り [ ねつでた今日むりそう ] 何とかそう打ち込んで送信した所で力つきた 再び目を覚ませば少しマシになっていて、額に少しの違和感を感じ触ってみれば何か貼られていて、、、 すると部屋の扉が開き楓が顔を出す 「おっ起きたか。」 「かえで、、、なんで?」 「メッセくれたろ?熱出たやつほっとけねーでしょ。」 そう言いながら体温計を渡してくる 受け取り大人しく熱を測れば 38.0 の表記 それを俺の手から取り見れば「高いなー。」と呟く楓に「朝よりは下がってるよ。」と声を掛ける 「それでも高いでしょ。薬飲まねーとな、お粥作ったけど食べれそ?」 「ん。」 そう短く返事して頷けば「んじゃ持ってくるわ。」そう言って部屋を出ていった 数分後カチャカチャと音を鳴らしながら再び部屋にやってきた楓はサイドテーブルにそれを置き、少量を取り分けてくれる 「食べさせてやろーか?」 「自分で食べれるから、、、」 「そう?じゃあはい。熱いから気をつけろよ。」 そう言って俺の手にお椀を渡してくれる 「ありがとう。」お礼を言って冷ましてから口に運ぶ 「おいしぃ、、」そう呟けば「それはよかった。」そう言いながら笑顔を見せる 全部食べ終えれば「薬飲んでください。」そう言ってぬるま湯と一緒に手渡されたのを飲めば「それじゃあもう一度おやすみー」そう言ってゆっくりと俺をベッドに押し倒す 「かえで、、、今日はごめんな。」 「体調が悪いのは仕方ないだろ。ここ数日バタついてたし疲れが出たんだろ。ゆっくり休めよ。」 そう言って、食器を手に取り電気を消して部屋を後にする 目を閉じれば眠気はすぐに襲ってきた どれだけ眠っていただろうか 目が覚め、辺りを見渡せばすっかり部屋は暗くなっていた 体を起こせばベッドに背もたれるようにして座って眠る楓の姿が目に付いた ずっと近くにいてくれたのだろうか 「ほんと楓には助けられてばっかだな....」 そう小さく呟けば「友達なんだから助けるのは当然でしょ。」そう返事が返ってきて驚けば、楓がこちらを向いた 「寝てるかと思った、、、」 「んー寝かけてただけで起きてたよ」 「そっか、、。」 「そんじゃ熱測ってください。」 そう言って渡された体温計を手に取り測れば 37.5 の表記に2人して安堵の息を零す 「下がってよかったよ」 「ご飯とか薬を用意してくれた楓のおかげだよ。ありがとな。」 「気にすんな。」 「お前が体調崩したりした時も言えよ。俺もお世話するから。」 そう言えば「俺はお前と違って丈夫だからなぁ、、、お前の世話になることあるかな。」なんて笑いながら返してくる 「そんなの分かんないだろ。」 「まぁその時は遠慮なくわがまま言ってお世話してもらいますよ。」 「うわっ、、、」 「お前から言ったくせになんだようわって、、、と言うか寝ろ。」 「さっきまで寝てたんだから無理だよ」 「はーい。せっかく下がってきたんだから文句言わずに寝てくださーい。」 なんて言いながら再び俺をベッドに寝かせる 「寝れないって言ってるのに、、、」そう言いながらも目を瞑ってしまえばあっという間に俺は落ちていった 夢を見る前に何かが優しく髪にふれた気がした

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