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第34話

なんではるにぃがここに、、、? いるはずのないはるにぃがいる事に驚くけど、もう無理だと絶望していた中見えたその姿に 「はる、、、にぃ、、、たすけて」 その声は小さかったはずなのに反応するかのようにこちらに視線を移せば、俺の乱れた姿に顔を歪めそのまま無言で近付いてきた そのまま男の胸ぐらを掴めば 「何やってんだ」そう口にした 低く聞いた事のないその声に俺は思わず身震いをする はるにぃの行動に驚き、言葉を発せずにいる男に再び「何やってんだって聞いてんだけど」先程よりも低い声で問いかける 「何って、俺は尚也くんの恋人なんだから何してようが君には関係ないだろ!」 「誰と誰が恋人だって?」 「だから!俺と尚也くんが!!」 「じゃあなんで尚也はこんなに泣いて嫌がってんの?」 「それは、恥ずかしがって照れてるだけで」 「ふーん。お前にはあれがそうやって見えんの?」 「そうだ」 「お前頭いかれてんの?そんなわけねーだろ。」 「なっ、お前は何なんだ。いきなりやってきて、俺と尚也くんの邪魔をするんじゃない」 「お前ほんといい加減にしろよ」 そう言うはるにぃからは、先程とは比べ物にならないほどの圧が出ていて アルファであるはるにぃからのそれに男の顔はだんだんと青白くなっていき、最後には力なく座り込んだ そんな男の前に座り込めば「今度尚也に近付いたりしてみろ、容赦しないからな。」そう言って立ち上がり俺の目の前にやってきた 自分の上着を俺の肩にかければ「大丈夫か?」そう言いながら俺の頭に触れる その声はひどく優しくて、、、 はるにぃの顔を見れば、さっきまでの威圧感はなくただただ心配そうに俺を見つめるはるにぃと視線があって 止まっていた涙が再び溢れ出す そんな俺を抱きしめれば「こわかったよな、、、もう大丈夫だから」そう言いながら背中を撫でる するとスーツを着た男性が「こっちです!」と言いながらお巡りさんと一緒にやってきた 「神崎!平気か?」 「はい、大丈夫です。」 「それならよかった。」 「連れてきてくれて助かりました、ありがとうございます。」 そう言うとはるにぃは、俺を抱きしめたままお巡りさんに男が俺を襲おうとしていた事を説明する 「君はこの男と面識はない?」 「同じマンションみたいですが俺は1回だけ顔を合わせた記憶しかなくて、その時も特に話したりはしてないです。」 「分かった、ありがとう」 そう言うと男に近づき立ち上がらせれば、連れて行く為に腕を掴んだ すると、先程まで大人しかった男が「なんでなんだ。俺は尚也くんと想い合っているのに!!」なんて大きな声で叫び出した その声にビクッと反応すればはるにぃがさらに強く抱きしめ「大丈夫、大丈夫だよ。」と優しく声をかけてくれた 男はそのまま叫び続けながらもお巡りさんに抑えられながらパトカーに乗せられ連れていかれた その時、亮介と湊の事を思い出し携帯を取り出せば何十件の着信とメッセージの通知が目に入る すると画面が楓からの着信に切り替わった 急いで出れば「なおや!!今どこだ!?無事なのか!???」大きな声が聞こえた 「大丈夫だよ。」 「大丈夫ならよかった。亮介と湊も一緒にいるから今いる場所教えて。」 「分かった。位置情報送っとく。」 そう言って電話を切りすぐに位置情報を送る その様子を見ていたはるにぃから「今から楓くん来るの?」そう聞かれたから頷く。すると「そっか。」と小さく呟き静かな空気が流れた それから5分もしないうちに楓達がやってきた 「なおや!なんでこんな人通りの少ないと、、、陽斗さん?どうしてここに、、、」 「久しぶりだね楓くん。」 「お久しぶりです。尚也どういう事?」 「それは、、、」 そう俺が口篭っていれば「大丈夫か?俺が軽く説明しようか?」そう優しく聞いてくれる 正直、男が連れていかれたとしてもあの時感じた恐怖はそう簡単には拭えなくて 今もはるにぃが支えてくれているから立っていられていて、、、 だから俺はその言葉に甘えて頷いた 「全然大丈夫じゃねーじゃん」 はるにぃの話を聞いた楓は小さくそう呟いた。 「ごめん、、、俺が電話出ずに横にいればよかった、、、」 湊がそうポツリと呟きながら俺を見れば「ごめんな、、、ごめん、、」そう言いなが目に涙をためる 「湊が謝ることなんてないだろ」 「でも!!俺が「お前は何も悪くない」 俺が湊の言葉に被せるようにそう言えば堪えきれずにボロボロと涙を流す湊を抱きしめた 「俺は大丈夫だから、、、自分を責めないでよ。」 それでも「だけど、、、でも、、、」と繰り返す湊に 「湊、お願いだからもう言わないで、、、それなら危機感ちゃんと持てていなかった俺のせいだよ。」 「尚也は悪くないだろ!その男が暴走してやったんだから!!」 「そうだよ、、あの男が悪い。だから湊も自分を責めるのやめて。」 「、、、、」 「分かったか?」 顔を見ながらそう言えば頷いてくれる 楓と亮介の方を向けば、2人も目に涙をためながらこちらを見ていた 「楓と亮介も気にするなよ」 「でも、、」 「でももだっても禁止だから」 「、、、」 「皆が自分を責めたりしたら俺は申し訳なさ過ぎてどうにかなりそう、、、」 「、、、わかったよ。」 何とか3人を納得させたら、楓がはるにぃの方へ行き頭を下げた 「尚也を助けてくれてありがとうございます。」 そう言えば、亮介も湊も頭を下げてお礼を言う 「そんな、、気にしないで。尚也は俺にとっても大事な子だから。」 「でも、どうして陽斗さんがここに?」 そこで楓が俺も気になっていた事を聞いた

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