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第39話

それからは楓や亮介、湊の3人が必ず俺の隣にいてくれた 数秒たりとも1人にするもんか、という強い意志が伝わってきて多少の戸惑いもあるけれどその気持ちが嬉しくて、、、 俺もあの後、警察の人から教わった防犯のあれこれをしっかり頭に入れ気を付けている いくらあの男が捕まったからといって今後もこんな事が起こらないとは限らない。 自分だけでなく周りの大事な人を守る為にも警戒しすぎなぐらいでいくことにした それからは告白される事はあってもいき過ぎな行動をとる人は幸いおらず、1年の最後は平和に過ごす事が出来ていた 2年に上がり、忙しさは増したが変わらず4人で過ごし充実した生活を送っていた だけど半年を過ぎた頃から、少しづつ身体に違和感を覚え始めた 最初は気の所為かと思うほどだった だけど身体の怠さを感じたり、少し熱っぽいなと感じたりする事が増えていった 最近夜は冷えてきたから風邪でもひいたのか、と思っていたけど咳などの症状もなかった為病院に行く事はしなかった そんな日が1ヶ月程続き、さすがにヤバいかと思っていたある日の午後 楓と一緒に帰る為に大学内のベンチで亮平達と休みながら待っていればドクンと身体に衝撃が走った感覚がした "なんだこれ⋯⋯" そう思った瞬間荒くなる呼吸に熱くなっていく身体 前かがみになりながら必死に落ち着かせようとするけど無理で、、、 そんな俺の様子に亮平と湊が焦りながら声を掛ける すると俺達の様子に心配した人が「どうしたんですか?」と声を掛けてきた その声に反応して顔を上げれば女の人が立っていた すると俺を一目見た瞬間 目の前に座り込み「ヒートを起こしたんですね。薬は持ってますか?」そう声を掛けた "ヒート?くすり?" 回らない頭で必死に言われた事を咀嚼するけど分からなくて 「なんで、、、俺ベータなのに、、、」なんとかそれを口にすると女性は驚いた表情を見せる 「ベータなんですか?でもこれ、ヒートの症状ですよ、、、ヒート起こした時の私と一緒です。」 俺の目を見ながら話す女性の言葉が分かるようで分からなくて なんでこんな事になっているのか考えようとしても、どんどんと熱を帯びる身体に耐える事に必死でうまくいかない その時だった 「なおや!!」と俺の名前を呼びながら楓が走ってきた 「どうした、、ってこの匂い、、、」 俺の目の前まで来たかと思ったらカバンを漁り何かを口に入れ飲み込んだ そして着ていたパーカーを脱ぎ俺に被せるとそのまま抱き上げる オロオロとする亮平達に「大丈夫。また連絡するな。」そう伝えると歩き出した

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