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第44話

目を覚ませば部屋の中は暗く時間を確認する為にサイドテーブルの携帯を手に取れば20時で 丸一日寝ていたのかと思いながら日付を見ればあれから5日も経っていた事に驚く だけどあんなにも辛かった身体の火照りはなくなっていてどこかスッキリしている事で納得した けれどその5日間の事ははっきりと覚えていなくて、、、モヤモヤとする "誰かがこの部屋にきた気がするけどはっきりと分からない、、、" どうしようもない身体の疼きに薬を求めたけど届かなくて、"誰か助けて...." そう思って近くにあった携帯に手を伸ばした。でもそれも叶わなくて その時俺はあの時のことを思い出す はるにぃの恋人、碧さんの連絡を隠した事を ヒートの状態で何とか連絡をしただろうになかなか恋人であるはるにぃが来なかったのはどれほど苦しかっただろう辛かっただろう 少し動くことさえままならない状態で必死に送ったであろうあのメッセージを俺は自分の欲の為に、、、 最悪だ、俺はほんとなんて事をしたのだろう ヒートの辛さを身をもって知った事で己のした事の罪深さを痛感して 「ごめんなさい、、、ごめんなさい」 溢れ出そうになる涙を堪えながら俺は1人謝罪の言葉を口にした しばらくベッドの上で膝を抱えて座っていればドアをノックする音が聞こえた 返事が出来ずにいればゆっくりとドアが開く音がし顔を上げる すると少し遠慮がちに顔を覗かせる人物と目があった 「あっ、よかった。目覚めたんだね。」 そう言いながら部屋に入ってきた 「みなと?」 「うん。楓から連絡があってね、俺の代わりに尚也の様子みてて欲しいって。」 「そうだったんだ、ありがとう。」 「気にしないでよ、友達なんだからさ!」 そう言ってベッド側まで来ると俺の顔を覗き込み笑顔をみせながら「うん、顔色良くなってる!よかった!」そう言った 「そんなに酷かった?」 「んー楓から連絡あってきた時は少し熱っぽい感じでちょっと苦しそうだった」 「そっか、、、、」 「でも、もう少ししたら落ち着くと思うって楓が言ってたから大丈夫かなって思ってたけどやっぱり心配だったから、、、」 そう言いながらしょんぼりとした表情を浮かべる湊に笑みを見せながら「もうほんとに大丈夫だよ。」と言葉をかける すると再びドアが開き今度は亮平が「みなと〜全然戻ってこないけどもしかして尚也起きた?」そう言いながら顔を覗かせた 「亮平も来てくれてたんだ。」 「やっぱ起きてたんだ。楓から湊に連絡があった時一緒にいたんだけど湊さ、楓には『任せとけ!』なんて応えてたのに電話切った後半泣きで、りょうへーいどうしたらいい....なんて言うんだぜ?そしたらすぐ後に楓から俺にも連絡あってさ、一緒にきた。」 「そっか、亮平もありがとな。」 「気にすんなよ。もう大丈夫なのか?」 「うん、」 「ならよかった。ご飯用意してるけど食べれそう?」 「ありがとう、食べるよ。」 「おっけー、準備してるからゆっくりこいよ。行くぞ湊、お前は手伝え。」 「はーい。じゃ尚也待ってるな〜」 そう言いながら部屋を出ていく2人を見送った後にゆっくりとベッドから立ち上がる 少しフラついたけれど体調はとてもよくて 軽く伸びをしてリビングへ向かえば美味しそうな匂いが鼻をくすぐる 「あっ、なおや!どれぐらい食べれそう?」 俺が来たことに気付いた亮平が料理を温めながら問いかける 「んー、湊が今皿に盛り付けてるご飯の半分ぐらいかな。」 「えっ、、、少なくない?尚也まだ体調良くない?大丈夫?」 「体調は凄くいいよ」 「ならなんで、、、」 そう言いながら茶碗としゃもじを手に呆然としている湊に「お前の食う量がバグってるだけだよ。それの半分が普通だ、いつも言ってるだろ。」そう亮平が声をかける それでも湊は信じられないと言いたげな表情でこちらを見た それがおかしくて思わず吹き出せば亮平も呆れたように笑う ただ1人湊だけが未だに信じられないという顔をしていた 3人でご飯を食べ終えれば片付けをしてくれる2人にお礼を言う 「2人共ほんとにありがとな。」 「さっきも言ったけど気にすんなよ。」 「そうだよ!こうやって一緒に夕ご飯食べたりするの楽しいし!!」 なんて軽く言うのが嬉しくて だから2人の背中に向かって「今日はもう遅いし泊まっていきなよ。」そう声をかけた 少し遠慮がちに「いいのか?」と言う亮平と「いいの!?わーいお泊まりだ〜!」とテンション高めに言う湊 2人の反応の差に笑いながら「大丈夫だよ。さっき楓からもそう連絡あったし、気にせず泊まっていってよ。」そう応える せっかくならとリビングの机等を動かしスペースを作り布団を敷き3人並んで眠る そこで俺は気になっていたことを問いかける 「そーいえばさ、楓から連絡があって来たって言ってたけどそれっていつ?」 「昨日だよ」 「昨日か、、、」 「どうしたの?」 「いや、何でもないよ。」 「そう?」 「うん。」 まだ少し不思議な顔をする2人に笑顔をみせる 薬の効果がきれた時、誰かがきた気がするのに顔も声もモヤがかかったように曖昧にしか思い出せなくて "俺はあの時はるにぃの名前を呼んだ気がする....でもはるにぃが来るはずないよな、、、" "それに昨日湊達に楓から連絡があった。ってことは昨日、湊達が来るまでいたのは楓ってことだよな、、、あれは楓だったのか...." 分かりそうで分からないモヤモヤを抱えて俺は眠りについた

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