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第43話

目を瞑りさらに身体を縮こませ震えていれば「なおや!」と俺の名前を呼ぶ声 恐る恐る目を開ければ、俺の前にしゃがんで目線を合わせている楓の姿があった 「か、、えで、、、」 「大丈夫だから、、、帰ろうか。」 その言葉に俺は頷いた 外に出れば数人の先生が1人の男性を連れていこうとしていた 俺と目が合えば「こいつがこんな所で発情してんのが悪いのになんで俺が!」と大声で叫ぶ その声に体がビクッと反応する それに気づいた楓が「大丈夫だよ。」そう言いながら自分の上着を俺の頭にかけ、その男の姿が声が見えない聞こえないよう俺の事を抱きしめた 楓の胸元から聞こえる規則正しい音に恐怖で震えていた体は落ち着きを取り戻す でも身体の疼きは増すばかりで、、、 だんだんと立っているのも辛くなり膝から力が抜ける だけど俺の事を支えてくれていた楓のおかげで倒れることなくそのまま抱き上げられた 「とりあえず病院行こう。タクシー呼んどいたから」 楓のその言葉に頷きながら「あの時と同じだ、、、ごめん楓、、また迷惑かけた。」そう言えば「迷惑だなんて思ってないから。」そう言いながら歩き出した 学校前で待機していたタクシーに乗り込み病院へ向かう 着いた頃には息も上がり自分で動くことは困難な程になっていた すぐに強めの薬を処方されベッドに横になる 念の為に楓には外に出てもらい一人ベッドで楽になる時を耐えて待つ 気付けばいつの間にか寝ていたようで優しく目元をなぞられた感覚がしてゆっくりと目を開ければ楓が心配そうに俺を見ていた 「なおや、大丈夫か?」 「うん、少し楽になった。」 「そっか、よかった。」 「帰っててもよかったのに」 「帰る家一緒なんだから待つよ。」 「、、、ありがとな。」 「おう。」 そんなやり取りをしていれば先生がやってきて「油断はしないで下さいと言いましたよね?」と軽く注意を受けた 「最上さんの体はもう完全にオメガの方と同じになっていました。なので次のヒートも今回と同じようになると思います。くれぐれも!甘くみないように!!分かりましたか?」 「はい、すみませんでした。」 そう言いながら頭を下げれば 「今日はもう帰っても大丈夫ですよ。ただ薬で落ち着かせている状態なので時間が経てばまた症状が出てきます。最上さんは恋人等は?」 「いないです、、、」 「そうですか、、、相手がいた方がいいのですが、、、それなら以前出した薬より強めのものを出しておきます。ただ言ったように強い薬になるので何かあればすぐに!ここへ来てくださいね。」 そう言われ大人しく頷く お礼をし病院を後にすれば楓が呼んでくれていたタクシーに乗り込み家へ向かった 家に着けばすぐに自分の部屋へ向かい楓へメッセージを打つ [またいつ症状が出るか分からないからとりあえず数日は部屋に籠るね。] そう送れば [分かった。ゼリーとかの軽く食べられる物部屋の前置いとく。] そう返ってきた それに [ありがとう。] とだけ送ってベッドに倒れ込む まさか自分のヒートがあそこまでになるとは思わなかった "また楓に迷惑かけちゃったな....。落ち着いたらお礼しないと。" そう思いながらゆっくりと目を閉じる いつの間にか眠っていたのか、じんわりと広がっていく身体の違和感に目を覚ます "何か身体が変...." そう思った瞬間だった あの時と同じようにドクンと衝撃を感じた瞬間荒くなる息にどんどんと身体が熱くなっていくのが分かった "薬の効果が切れたんだ、、、" そう思って病院から貰った薬を飲もうと辺りに視線を向ける 薬が入ったバッグは扉付近に置かれていてベッドからは距離があった それでも飲まなければさらに酷い状態になってしまう、、、そう思いながら必死に体を動かそうとしても言うことを聞いてくれなくて その時、サイドテーブルに置いてあった携帯が目に付いた すぐに手を伸ばし掴もうとするけどあと数センチが届かなくて、、、 その間にもどんどんと熱は上がり視界もボヤけていく もう夢中だった 早くこの熱をおさめて欲しい しんどくて、欲しくてたまらない そう思いながら手を伸ばす だけど一向に掴めなくて 誰か、、、はるにぃ、、、 そう思った瞬間さらに身体が疼いたのが分かった いやだ、、、つらいよ、、、 はるにぃ、、、 「はる....にぃ......はるにぃ....」 諦める、そう決めてもこんな時無意識に求めてしまうのはやっぱりはるにぃで だけど、はるにぃにこの疼きをおさめて貰うことは出来なくて、、、 つらい、、、つらいよ、、、 すると朦朧とする意識の中で、扉が開く音が聞こえた気がした 顔を向けるけど涙でぼやけた視界のせいではっきりと見えなくて.... 俺は無意識に「はるにぃ....」と呟いていた 扉をあけた人物はそのままベッドまでくるとさらりと俺の頭を撫でた すると「ごめん。」そう言って俺の膨らんだものにそっと触れる 「んっ」触れられたことによりビクッと反応する身体 "気持ちいい、、、もっと" そう思いながら俺のものに触れるその手に縋る するとズボンと下着が下ろされ少し冷たい手が直にあたる 火照った身体に冷たい手が心地よくて、ゆっくりと刺激が与えられると快感が身体を巡る 次第に強くなっていく手に堪らなくなって俺はそのまま達してしまった だけど熱は治まることはなくて それに気付いた手が今度は後ろに触れる ゆっくりと指を入れたことで「んぅ⋯」と声がもれる そのまま俺の反応を見ながら動かし指を増やしていく それがとても気持ちよくて、、、 すると後ろだけだったのが前も一緒に触られ快感は一気に上昇する 「んぁ…はぁ⋯⋯いっ⋯しょ⋯だめ⋯⋯あぁ」 そう声をもらしながら果ててしまえば先程まで辛かった火照りは息を潜めた すると、するりと髪をとかれる感覚がしたと当時に「ごめんな。」と呟くような声が聞こえた気がした

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