感情を隠すことが出来ない叶真の声は低く、言葉は刺々しい。明らかに自分を拒絶する叶真にキョウスケは苛立ちを募らせる。 　叶真の髪を掴み、背を向かせたキョウスケは、もがく叶真の身体を壁に押し付けた。身動きのとれない叶真のズボンを下着ごと膝まで下ろすと、すでに充溢している劣情を叶真の秘所へあてがう。 　あまりにも早急なキョウスケに叶真は青くなりながら制止する。 「ちょっ……待ってくれ！　今日は慣らしてきてないし急には無理だ！」 　念のために中を洗ってきてはいたが拡げる行為はしていない。最後のセックスから一ヶ月もたったそこはすでにキョウスケの形など忘れてしまっていた。 　暴れる叶真にキョウスケは忌々しく舌打ちをすると、大きな手で叶真の口を塞ぐ。そしてそのまま腰にぐっと力を込め、劣情を内部へと進入させていく。 「んっ……ぐっ……！」 　無理やり押し広げられる痛みに、塞がれているはずの叶真の口からくぐもった声が漏れる。 　劣情に被せられたコンドームの僅かな潤滑剤が助けとなり秘所が裂けることはなかったが、それでもソレが凶器には変わりない。痛みと恐怖に青くなる叶真だったが、キョウスケは無慈悲にも腰を進め、最奥へと辿りつくと肉壁を貪るように抜き差しを始める。 「んっ……！う、ぐっ……！」 　言い表しようのない痛みに叶真の目から自然に涙がこぼれた。身体の中から抉られるような痛みは叶真の今までの人生で一番だった。男に嬲り者にされ、味合わされる痛みはとても理不尽なものだ。 「ふっ、ん……っ！」 　痛みを訴えようにも口を塞がれており、叶真は大人しく揺さぶられていることしか出来ない。時折耳元を掠めるキョウスケの吐息は熱く、叶真はそれを獣のようだと感じた。 　激しくなる律動に叶真の目の前が赤黒く染まっていく。快感を得たときは視界が白く染まったが、痛みの色は赤かった。 　叶真はキョウスケの熱を全身に感じながら、声にならない悲鳴を上げ続けるのだった。