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第26話 番になる

「シグルド、きて……はやく……」 「リオルっ……!」  シグルドはリオルの足を押し開き、オメガの蕾に猛々しい自身のモノを押し当ててきた。 「ああっ……!」  蕾が開かれていく。すっかり濡れているオメガの入り口はシグルドの屹立を容易に咥え込んでいく。 「はぁっ……! リオル、これは想像以上だ。良すぎてどうにかなる……」 「あっ、あっ、シグルドっ、シグルドぉっ……」  シグルドが腰を動かすたびに、えも言われぬ快感に襲われてリオルは耐えられなかった。 「あ、あ、あぁぁーーっ!」  恥ずかしい嬌声を上げて、下半身を痙攣させ、達する。  達しても、オメガのそこはいやらしくアルファを求めてキューッとシグルドのモノを締めつける。 「リオルっ、待てっ、はぁっ……すごくいい……」  下は繋がったまま、シグルドが噛みつくようなキスを求めてきた。 「あっ、あっ、シグルド」  抱き締められ、キスをされ、たまらずリオルもシグルドの背中に両腕を回す。 「好きだ、好きだ……」 「僕も好き、シグルド、シグルド……んっ……」  キスの合間に好きと何度も繰り返され、全身を求められ、リオルはシグルドのこと以外考えられなくなっていた。 「リオル。番になろう」  リオルが快感を追うだけで精一杯になっていたとき、シグルドが首筋に優しいキスをしながら囁いてきた。  はぁはぁと息を切らしながらも、リオルは目の前にいる愛おしい人を見る。 「愛しているんだ。俺のすべてをかけてリオルを幸せにする。必ず愛し抜くと誓うから、どうか俺の番になってほしい」  次のヒートが来たら番になると約束していたのに、シグルドはわざわざ愛を捧ぐ。その誓いの言葉にじんときて、リオルの胸があったかくなる。 「うん。僕もシグルドのそばから離れない」  お互い視線を絡ませ合う。シグルドの瞳を覗き込んだだけで蕩けてしまいそうだった。 「番になったら、離れ離れになどなれるものか。お互いが、お互いの身体の一部になるようなものだ」  シグルドは一度体勢を変え、リオルの身体を反転させベッドにうつ伏せの姿勢にする。 「綺麗なうなじだ……」  シグルドはリオルのうなじにキスをしたあと、どろどろに蕩けた後孔に再び自身の屹立を突き立ててきた。  シグルドに挿入されただけでドプッと愛液が溢れ出る。いつの間にか羞恥心などなくなり、リオルもシグルドを求めて快楽に腰を揺らしていた。 「リオル。愛してる、愛してるよ」  シグルドの律動が激しくなる。何度も何度も最奥を穿たれ、ガクガクとリオルは頭まで揺らされながらシグルドを受け止める。  奥をいっぱいされるたびに、快感の波にのまれていく。すごくいい。オメガの身体が悦んでいるのがわかる。 「あぁっ……んっ……奥、気持ちいい……」 「俺もだ。リオル。はぁっ……うっ、もう、出すぞ……!」  シグルドがリオルの中で達した。ドクドクと脈打つ熱い楔から、アルファの精液を放たれたことで、オメガの欲が満たされていくのがわかる。ヒートのときにアルファに精を注いでもらうのは、オメガの身体にとって最幸の瞬間だ。  いまだに脈打つ強靭なアルファのモノを内壁で感じながら、心も身体も幸せの余韻に浸っているとき、シグルドが背中から覆い被さってきて、リオルのうなじに口づけた。 「オメガの匂いがさらに甘くなった。あぁ……っ! 頭がおかしくなりそうだ……!」  背後からシグルドの声が聞こえたと思ったら、うなじに強い痛みを感じる。  シグルドが野獣のように歯を立ててリオルのうなじを捉えたのだ。 「うっ……!」  容赦はなかった。シグルドに喰われるのではないかと思うくらいに強く、強く()みつかれた。 「うぁぁ……っ!」  鈍い痛みとともに、全身に稲妻のような衝撃がはしる。まるでこの身体が作り変えられるみたいな不思議な感覚だった。きっとこの身に誰の所有物になったのか、という証をしっかりと刻み込まれたのだろう。  たった今、この瞬間、リオルの身体はシグルドのものになった。  もう他のアルファとは交われない。ただひとり、シグルドだけしか受け入れない。  他のアルファをフェロモンで誘惑することもなくなる。これからはリオルの色香はシグルドに感じてもらうだけのものになり、シグルドのためだけに存在することとなる。  夫夫として、アルファとオメガの番として、シグルドはリオルにとって唯一無二の人になった。

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