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第2章 第4話 発情期**
*R18要素あり。背後にご注意ください。
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「本当に庇護者なんて俺に必要なんやろうか? アルファやったらもうハジメでもいいんやないんかな?」
その頃の俺はまだオメガという体質がどういうものなのか理解してなかった。確かに兄貴らに乱暴された時は怖かったがアルファの放つホルモンにやられほとんど意識がなかったのだ。自分がどんな状態だったのかもよく覚えてなかったのが心の傷が浅かったせいかもしれない。
「じゅん君、ハジメくんとはどういう関係なんや?」
亜紀良の声が普段より低い。
「ハジメは俺の幼馴染で親友や。今のところ俺の周りであいつが一番俺のことを守ろうとしてくれてる」
「そうか。ええ友人なんやな。でもそれと庇護者は違うで。庇護者になってしもたら今までの関係は崩れてしまうかもしれん」
「ようわからん」
「……とにかく。今は僕のいう事をきいといてくれるかな?」
「うん。亜紀良さんには住むところを借りてるし美味しいもの食べさせてもらってるしね!」
「まあ。でも食費や養育費は兄貴からがっつりもらうよって遠慮せんでええで」
「ありがとう」
「ふふ、良い笑顔や。その顔忘れんとってな」
その後、亜紀良は仕事で年の半分以上が海外だという事を知った。
「ホンマは僕が全部面倒見たいんやが僕はまだ新しい事業を起こしたところなんや。金にならんとわかったらすぐに頓挫して帰ってくるけど、これがなかなか面白そうな仕事でな。僕は強欲な男やさかい、仕事も君も手放したくないんや」
「仕事って面白いもんなの?」
「仕事によるかな? 自分が面白い、やってみたいって仕事に巡り合えたらいいね」
「そっか。そうだね。何か見つかるかな?」
「先人の知恵をもらうんや。先生達に尋ねてごらん」
それから月に2~3回程度、彼らの元を訪れた。他愛もない話に経済や政治の話も面白おかしく聞かせてくれる。ほとんどが夕食込だったので会うときはごちそうが食べれるのも嬉しい。そのうちお呼びがかかる人数が限られてきた。
「皆良い人だったけど、やっぱり話が合わない人もいたもんな」
最初に懸念したような淫らなつきあいもなく、彼らは純粋に俺を可愛がってくれた。俺の事を孫みたいに思ってくれているらしい。
そこから更に数年がたち、俺ははじめての発情期を迎えた。
やはり、最初に気づいたのはハジメだった。
「おい、朝比奈。お前なんか甘い匂いがするぞ」
「え? そういえばなんかだるいし熱っぽいかも」
「高塚さん帰ってるんやろ? すぐに連絡しろ!」
ただの風邪かと思っていたが予想に反し亜紀良が焦った様子で迎えに来た。そうかこれが発情期か。俺自身気づくのが遅すぎやろ。
「ハジメ君といたと聞いて気が気でなかったんや。じゅん君が無事でよかった。僕がおるときでよかった」
亜紀良に抱きしめられて心臓がバクバクする。
「お、俺……どうなって」
「じゅん君。僕の匂いがわかるかい?」
「うん。良い匂いがする。頭がクラクラする」
「そうか! ベットに行こうな。楽にしてあげるからな」
身体が火照って仕方がない。早く楽になりたい。
「はぁ。じゅん君の匂いがこんなに濃くなって」
亜紀良が嬉しそうに俺を抱き上げて頬を寄せてくる。この人、こんな表情できたんやな。
「待ってたんや。長かったわ。キスしてもええかな?」
そう尋ねられて嬉しくて自分から口づけに行く。あれ? 俺ってこんなに大胆なこと出来るんや? 相手が亜紀良だからか?
すぐに濃厚な口づけになり何も考えれなくなる。どこを触られても感じる。気持ちが良くて堪らなかった。
「ぁっ亜紀良さん! 」
「じゅん君っじゅん。ぁあ、綺麗になった。とっても」
肌にあたる布が不快で俺は着ているものを脱ぎ捨てた。亜紀良も服を脱ぎ捨てたようで何も着ていない。間近で亜紀良の身体を見るのは初めてで割れた腹筋がカッコイイ。目の前に均整の取れた体が現れる。だからあんなにスーツ姿がカッコよかったんだ。見惚れているとずくんっと身体の奥が疼く。後ろがジュワりと濡れてくるのがわかった。
「ぁ、俺……身体が……変」
「上出来だよ。ほら、こんなに濡れてる」
亜紀良の指が後ろから侵入してきた。ぐちょぐちょと濡れた音がする。
「んぁ? なに? ……ぁあっ」
「めっちゃ良い声。可愛いよ」
「ぁ……もっと……んぁあ」
「ええよ。もっと気持ちよくさせてあげる」
亜紀良が俺のそそり勃つものにねっとりと舌を絡めてきた。
「ひぃっ……ぁあっ!」
そんな場所舐められたことなんてない! 快感が中心に集まってくる。それに亜紀良の指先がトントンと一定のリズムを叩きだした。
「いやぁっ……だめっそこだめだってぇ」
ビクビクと身体が震える。何かがせり上がってくる。
「だめやないやろ? ここがじゅん君のええところや。でもまだ駄目。僕を受け入れてからや」
「んぁ? ……あああっ!」
そういうと亜紀良は指を抜くと熱い塊を押し付けてきた。
「ぁあっ……挿ってくる……んっ熱い……」
大きく足を開かされてゆっくりと太さのある塊が挿入してくる。圧迫感に息も絶え絶えになるが繋がったところから蕩けるような快感が広がる。亜紀良がグッと腰を押し付けると同時に俺はイってしまった。
「じゅん君、僕が挿れただけでイッてくれたんや!」
それが興奮を高めたのか亜紀良が急に動きを速めてきた。ラット状態になったのだ。甘く胸を焦がすような匂いが充満する。何度も最奥を突かれ、そのたびに快感に震える。
自分で慰めることはあってもこんなのは知らない。こんなのを知ってしまったらもう後戻りはできない。この時自分がオメガだという事を思う存分知らされたのだ。
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