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① 咲磨 視点
俺の家の隣には超絶美形な幼馴染がいる。
名前は若尾 聖(ひじり)と和名だが、
父はアイスランド人だったかアイルランド人だったかのハーフで、その血が濃いのか、髪色は明るいブロンドで目は茶色に近いがよく見るとグレーだ。
父親がなに人なのかは、聞きたくても既に両親が離婚済みとのことで、聞きづらい。
そもそも、離婚なのかも怪しい。
俺の記憶では、幼稚園に入園する前から聖は隣に住んでいた。
もしかしたら、聖のお母さんは未婚にしてシングルマザーになったのかもしれない。
とにかく、俺の幼馴染のハーフ君はとても美形だ。
小中学校は学区が同じなので、疑いようもなく同じ学校だった。
そのころから、聖は男女問わずにモテていて、女子からの告白はもちろん、男子からも月に1度くらいは言い寄られていた。
しかし、聖は人見知りな上、見た目のせいで目立つこと多く疑り深い性格のため、俺以外とは基本的につるまないでいた。
俺からしてみれば、自分にだけ懐く可愛い幼馴染なんて、好きにならないはずがない。
が、このままでは聖以外の人間を好きになれないのでは?と、恐ろしくなり、ごりごりのスポーツ名門高校に進学した。
男子校だ。
部活に打ち込んで、聖を忘れ、将来はスポーツ選手…、にはなれなくてもジムのトレーナーとかになって、女の子にモテまくろう。
という魂胆だった。
が、家に高校の合格通知が届き、真っ先に聖に『合格だった!』とラインを送ったら『僕も○○高校合格だった』という返事が来て、俺は携帯を床に落とした。
その時に画面が割れてしまったため、合格祝いとのことで新しいスマホを買ってもらった。
混乱して立ちすくんでいると母親が帰宅し、「何つったってんの?まさか…、落ちた!?」と声を掛けられた。
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