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最新アプリで遊んでみた。
「あれ? この写真。レン君、服とか買ったの? いつ?」
「こら。アキオ。他人のケータイを勝手にイジるな」
「浮気チェックです。ねえ。誰と買いに行ったのさ。レン君が一人で服屋に行くとかありえないし」
「少しは悪びれろ。ただのアプリだ」
「アプリで買ったの? 通販? あやしいなあ。通販だとしてもレン君が服とか」
「俺を何だと思ってんだ。てか、通販でもねえよ。ただの着せ替えアプリだ」
「えー。アプリで? じゃあ、ニセモノの服なの? 見えない。すごい。ホントに? ほら、あれ。観光地の顔出しパネル的な違和感がゼンゼン無いじゃん。すごいね」
「あー、何かARとかMRとかXRとか言う最新技術なんだと」
「へー。すごいねえ。テクノロジーだ」
「撮ってやろうか」
「うんッ」
「ほれ。こんな感じだ」
「できた? 見せて。見せて。あ、ホントだ。すごい。服の色を変えるとかじゃなくてゼンゼン別物のデザインに出来るのすごいねえ」
「これがあればもう新しい服とか要らないな」
「あはは。そうかも」
「むしろ服とか要らないな」
「あはははは」
「要らないな?」
「そうかも。そうかも。裸で撮ってもカッチリのスーツ姿とかなれるんだよね」
「スーツにカジュアル、各種職業の制服にスポーツのユニフォームから着物も。服の種類は数百以上あるとよ」
「撮って。撮って。いろんなカッコウしてみたい。ううん。レン君の好きなカッコウしてみたい」
「おう。任せろ」
「ケッコウ、撮ったよね」
「おう。365枚になってるわ。お疲れ」
「あはは。撮りすぎ。撮られすぎ? ねえ。見せて。レン君、俺にどんな服、着せてくれたの? て。あれ? あれ? あれ? ねえ! 365枚、全部、裸なんだけど」
「当然。俺が好きなアキオの格好っていったら全裸だろ。折角、アキオが全裸なのにARだかMRだかで隠すなんてもったいない。そんな事するわけがないだろ」
「ぎゃーッ。コレとか。コレも。コレもだ。俺、服着せてもらってると思ってすごいカッコウしちゃってるんだけど」
「永久保存だな」
「消してッ! てか消すよッ! 消しちゃったからね! 恥ずかしい」
「残念。端末に保存と同時にクラウドにもバックアップ済みだ」
「うわーん、なんなのもう、テクノロジーッ!?」
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