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テクノロジーの限界を軽々とスキップで越えてきやがる。
「なにしてんの~?」
「乗っかるな。アキオ。操作が出来ない」
「は~い。で?」
「音声ファイルの登録だ」
「音声ファイル?」
「合成音声を作ってる」
「また最新技術だ。レン君も好きだねえ」
「最新でもないけどな。まあ、その分、今やお手軽だぞ、と」
『こんにちは』
「あれ? この声ってもしかして」
「アキオの声だな」
「えー。すごい。あはは。なんか気持ち悪いねえ」
『国家に仇なす反逆者め。覚悟しろ』
「言わない、言わない。あははは」
「とまあ本人の意思を無視して好きな事を言わせられるわけだ」
「あはは。俺に『反逆者め』って言わせたかったの?」
「いや。言わせたいのは」
『レン君、大好き』
「えー。そんなのいつでも言うし。言ってるし。てっきり、こう『オチンポ、ちょーだい』とか『お尻、ズボズボして』とかエロい言葉、言わされるのかと思った」
「お前」
「ん? 何? どうかした?」
「いや」
『天然モノには敵わない』
「えー?」
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