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優しい触り方

初めて指を入れられたのが、いつだったのか ちゃんと覚えてない だけど… 初めて指を入れられた時の衝撃は 覚えている 「優琉、シャワーありがとう」 「うん。あ、ドライヤーこっち」 洗面所に戻ると 「……俺、ドライヤーかけてもいい?」 「え?俺の髪を?いいけど…」 「暁の髪、触り心地いいから、かけてみたい」 「ふっ…かけてみたいって、思うんだね?」 「うん…初めて思った」 優琉が、慣れない感じで乾かしてくれる きっと、上手くはないんだろうけど 優琉に触られてるのは、気持ちいい 鏡の中の優琉… 一生懸命で可愛い 可愛いくて優しい優琉 大丈夫 優琉を見て 優琉が泣きたくなる様な事 絶対しない ドライヤーをかけ終わると 「んっしょ…」 優琉が何か出し始めた 何だろう? 「一応、兄ちゃんに頼んで、必要そうな物揃えたんだ」 必要そうな物… そんなの、あるなんて知らなかった 悠兄とする様になって コンドームを知った いつからだったか 劇的に痛くなくなって ローションという物を準備してくれてた あの時は、考えもしなかったけど 凌久さんから聞いたのかもしれない 「え…えっと……さっきも風呂場で入れてみたけど…やっぱ2本が限界」 「うん…俺…触ってみる?」 「~~っ…めちゃくちゃ恥ずかしいけど…ここを乗り越えないと、暁とは出来ないよな…」 そんなに… 恥ずかしいって思った事ない 「……先に、俺の触る?」 「えっ?!…やっ…そっ…それはっ…それでっ……心の準備が出来てないのでっ…」 心の準備… 俺はしてないけど、いいのかな 「とっ…とりあえず…電気、薄暗くしていい?」 「うん…」 優琉が、電気の調節をして 「その…どんな格好になれば…いいかな…」 「中触るなら…多分、四つん這いが楽だと思うけど…」 「…だよなぁ」 四つん這い…やなのかな 「優琉が楽な体勢でいいよ?」 「楽なのは…四つん這いなんだろうなって思うけど…その…暁に…その体勢で見られるかと思うと…~~っ…恥ずかしくて…」 そうなんだ そんなに恥ずかしいって思う事 突然された悠兄は かなり、びっくりしたんだろな 「優琉、お尻見られるのが恥ずかしいの?」 「~~~~っ!」 こくこくと頷いてる お尻見ないで… 「じゃあ、優琉…抱き合うのは?」 「え?抱き合う?」 「うん。座って抱き合ったら、お尻見えないし、触れるよ?」 「あ…そっか……触りにくくない?」 「そうなのかな?でも、やってみよう?」 「うん…」 俺と優琉は 大きな体格差がある訳じゃないし 俺の方が小さい位だから どんな感じか分かんないけど 少しでも優琉が、安心出来る様に… 「んっと…俺の上に優琉が乗っかる感じだから…ベッドの端の方がいいかな」 「暁…重くないかな…」 「座ってみよう?」 「うん…」 ベッドの端に座って 優琉が俺の上に、抱き合う感じで、乗っかってくる 「重くない?暁、大丈夫?」 「優琉の体重、全部が乗っかってくる訳じゃないから、大丈夫そう」 「ほんと?」 「うん」 そのまま、優琉が抱き付いてきて 普通に嬉しい 「暁…初めての時、恥ずかしかった?怖かった?」 「恥ずかしいが、分からなかったから…でも…凄くびっくりして…痛くて……とにかく…衝撃的だったの、覚えてる」 「~~っ…痛かったんだね…そんなの分かんないのに入れられたら…びっくりするよね…」 「うん…びっくりした」 槇田さんの指は 大きくて太くて 痛くて…怖かった 俺の頭を撫でてくれた手が 優しかった手が どんどん…どんどん… 「暁…このままキスしてもいい?」 「いいよ。優琉がしたい事して」 「ん...暁…」 きっと、不安なんだ 俺は、訳の分からないまま始まって怖かったけど 知ってて始めるのも、怖い事なんだ あまり深くないキスをしばらくした後 ぎゅ~っと、優琉が抱き締めてきて 「暁…俺の…あんなとこ触るの、嫌じゃない?」 「嫌じゃない」 「でも、実際触って…気持ち悪いと思ったら、我慢しないで、すぐ言って欲しい」 「うん。分かった」 そっか 好きな人だからこそ… 色々思う事もあるんだ 優琉は優しいから 余計に色々、考えちゃうんだ 「……下…脱ぐね」 「うん」 優琉が、膝立ちになって、ズボンと下着をずらす 「……う~…恥ずかしいけど、全部脱いだ方がいいかな…」 「汚れてもいいなら、優琉が楽な方でいいよ」 「じゃ…じゃあ…このままで、お願いします……男らしくなくて、すいません…」 「…優琉…恥ずかしくて、不安?」 「うっ…その通りです…」 優琉を、ぎゅっと抱き締める 「暁?」 「やっぱり触って欲しくないとか…触られたら、やっぱり嫌な感じとか…少しでも痛いとか、怖いとか思ったら…すぐに言ってね?」 「うん…分かった」 「触るね?」 「うん…」 優琉の背中から ゆっくりと腰に手を下ろして 優琉の肌に触れる 「っ…」 「優琉…大丈夫?」 「うん…暁に…抱き付いてていい?触りづらくない?」 「ないよ。優琉が好きな様にしていいよ」 優琉の柔らかい部分に触れて 少しずつ…真ん中に手をずらしてく 優琉の体が…少し動く 「優琉…大丈夫?」 「だ…大丈夫…ちょっと…くすぐったいだけ」 「そっか」 すっ…と真ん中の割れ目に触れて 少しずつ下にずらしてく 大丈夫? このまま、触ってっていい? 下にずらすと共に 深くなってって 目的の部分に近付くと… 優琉の抱き付いてた腕に、ぎゅっと力が入る 「優琉?やめる?」 「や…やめない…せっかくだから…って、変だけど…今…このまま、お願い…」 「うん………」 あれ? そう言えば… 俺、いつも自分で準備してたから 指入れてもらったのは、槇田さんだけで 優しい触り方とか、知らない… 「優琉…」 「うん?」 「俺…ほんとの…って言うか…普通の…って言うか…触り方…知らない」 「……え?」 「その…無理矢理って言うか…そんなのしか知らないから…自分では適当に広げてたけど…」 自分でやる感じでいいのかな? あれが合ってるのかも分からない 「暁……」 「えっと…とりあえず、自分でやってる感じで、触ってみる?」 「暁…あのね?俺、ちゃんと調べた。兄ちゃんにも聞いた。痛くない様にするやり方…暁も知っておこう?」 「うん。教えてくれる?」 初めての優琉に、教えてもらうの、おかしいけど… 「優琉…周りを触ってればいいの?」 「うん…周りとか…その…入り口とか……でも…まだ入れないで…」 「うん…分かった。触るね?」 「うん…」 ゆっくりと、その辺を触る 「んっ…」 すぐに優琉の力が入る 「大丈夫?」 「ん…ごめん…思わず…気にしないで触って…」 「分かった。嫌だったら言ってね?」 「うん…」 こんな風に...触るもんなんだ でも確かに… ゆっくりでも、いきなり入れるより 怖くないのかも 優琉が怖くない様に 優琉が痛くない様に 優しく…優しく… 「優琉…大丈夫?」 「ん…暁…嫌じゃない?…気持ち悪くない?」 「ないよ…優琉は?」 「恥ずかしいのと…変な感じはあるけど…嫌じゃないから…大丈夫」 「うん…」 少しの間触ってると… 「ん……んっ……はぁ……んっ…」 入り口に触れると 優琉が、反応する様になってきた 「優琉、大丈夫?」 「ん…大丈夫……暁…次は…ローション付けて…触ってくれる?」 「うん…痛かった?」 「ううん…全然痛くないよ…」 痛い訳ではなさそう とりあえず、ローションを付けて 「さっきみたいに触ればいいの?」 「うん…」 「じゃあ、触るね?」 「うんっ…」 ローションの付いた指で さっきと同じ様に触れると… 「あっ!」 ぎゅっと、しがみ付いてきた 「優琉?嫌だった?気持ち悪い?」 「あっ…違う……その…さっきまでと…違う感触だったから…ちょっと…びっくりしただけ…」 「そっか。触って大丈夫?」 「うん…」 そのまま、触ってると 「~~~~っ…はぁっ……んっ…はぁっ…」 凄く…しがみ付いてくるけど… 凄琉の入り口は 俺が気持ち良くなってきた時みたいに 開いたり、閉じたりしてて… 「優琉…気持ちいい?」 「~~っ…はぁっ…気持ち…いい…のかな…」 違うのかな なんか… もう指入りそう 「優琉…入れてみる?」 「…はぁっ…んっ……いっぱい…ローション付けて…指…1本からに…して?」 「うん。分かった」 いっぱい付けて 1本から 「入れるね?」 「うんっ…」 入り口に触れると… きゅっと閉じちゃった 「優琉…怖い?やめる?」 「ううん…暁…1回…キスしていい?」 「いいよ」 怖くないって言うけど、怖いのかな 不安かな だって、初めて自分以外の何かを 入れられるんだ 分かってるっていうのも 怖いよね 「はぁ…ありがとっ…ちょっと……緊張…和らいだ」 「緊張…」 「ははっ…自分から、触ってとか言っといて…情けないな…」 「キスして良くなるなら、いっぱいしていいよ?」 「ありがと…暁……初めてが、暁で良かった」 初めてが…俺で…? 普通の初めてを知らない俺で… だから、優琉の今の気持ち…ちゃんと分かってあげられない俺なのに? 良かったって、言ってくれるの? 「~っ…ありがとうは…俺の方だよ…」 「暁?」 「…普通の…っ…好きな人との…初めてを…教えてくれて、ありがとう…その相手が俺で…良かったって言ってくれて…っ…ありがとうっ…」 初めて付き合ったのが、優琉で良かった 今まで何度もしてきたはずの汚ない行為が… 優琉と2人… 大切なものになっていく

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