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第69話 再生と改革(4)
6ー4 役得
触手で絡めとられて身動きできない中、うつ向かされて腰をあげられ後孔を責められ僕は、甘い声をあげていた。
「あぁっ!んっくっ・・も、いっちゃうっ!」
「いけよ、レリアス」
ラクウェル兄の声に僕は、堪らず反射的にいってしまった。
「あぅんっ!あぁっ!」
僕が果てるのを見て満足げに笑みを漏らした。
ラクウェル兄は、ぐったりとベッドに横たえた僕の横に腰かけて僕の髪を撫でた。
「よかったんだな、レリアス」
「うっ・・」
僕は、ベッドに伏して泣いていた。
なんで。
死んだはずのラクウェル兄が僕にこんなことしてるの?
僕は、淫魔にみいられてしまったのかも。
「なぜ、泣く?レリアス」
「だって・・」
僕は、泣きながら答えた。
「死んだはずのラクウェル兄上が出てくるなんて・・僕は、頭がおかしくなったのかも・・」
「ああ、そのことな」
ラクウェル兄は、あっけらかんとして笑った。
「俺は、ラクウェルじゃねぇし」
はい?
僕は、ちらっと視線を向けると訊ねた。
「じゃあ、何?淫魔かなんかなの?」
「淫魔、ってか?」
ラクウェル兄は、呆れたような顔をした。
「お前なぁ、実の兄に淫魔って」
「どういうことなの?」
僕は、起き上がるとラクウェル兄に指を突きつけた。
「説明してください!」
「ああ」
ラクウェル兄は、僕に話し始めた。
「まず、俺は、ラクウェルであって、ラクウェルじゃねぇ」
ラクウェル兄にそっくりな何かは、僕に告げた。
「俺は、お前たちが邪神と呼ぶものだ」
ラクウェル兄の姿をしたそれは、僕に答えた。
5年前。
生け贄として邪神のもとへと送り込まれたラクウェル兄は、そこで一度死んだ。
だが。
邪神の器としてラクウェル兄は、甦った。
それは、将来国と共に滅ぶことになっていた僕を救うため。
でも、邪神を受け入れたラクウェル兄は、常に魂の喪失と戦っていた。
それを防ぐためには、女神の加護を持つ僕を抱く必要があった。
「まあ、役得だな」
ラクウェル兄であるところの邪神は、にやっと笑った。
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