69 / 91

第69話 再生と改革(4)

 6ー4 役得  触手で絡めとられて身動きできない中、うつ向かされて腰をあげられ後孔を責められ僕は、甘い声をあげていた。  「あぁっ!んっくっ・・も、いっちゃうっ!」  「いけよ、レリアス」  ラクウェル兄の声に僕は、堪らず反射的にいってしまった。  「あぅんっ!あぁっ!」  僕が果てるのを見て満足げに笑みを漏らした。  ラクウェル兄は、ぐったりとベッドに横たえた僕の横に腰かけて僕の髪を撫でた。  「よかったんだな、レリアス」  「うっ・・」  僕は、ベッドに伏して泣いていた。  なんで。  死んだはずのラクウェル兄が僕にこんなことしてるの?  僕は、淫魔にみいられてしまったのかも。  「なぜ、泣く?レリアス」  「だって・・」  僕は、泣きながら答えた。  「死んだはずのラクウェル兄上が出てくるなんて・・僕は、頭がおかしくなったのかも・・」  「ああ、そのことな」  ラクウェル兄は、あっけらかんとして笑った。  「俺は、ラクウェルじゃねぇし」  はい?  僕は、ちらっと視線を向けると訊ねた。  「じゃあ、何?淫魔かなんかなの?」  「淫魔、ってか?」  ラクウェル兄は、呆れたような顔をした。  「お前なぁ、実の兄に淫魔って」  「どういうことなの?」  僕は、起き上がるとラクウェル兄に指を突きつけた。  「説明してください!」  「ああ」  ラクウェル兄は、僕に話し始めた。  「まず、俺は、ラクウェルであって、ラクウェルじゃねぇ」  ラクウェル兄にそっくりな何かは、僕に告げた。  「俺は、お前たちが邪神と呼ぶものだ」  ラクウェル兄の姿をしたそれは、僕に答えた。  5年前。  生け贄として邪神のもとへと送り込まれたラクウェル兄は、そこで一度死んだ。  だが。  邪神の器としてラクウェル兄は、甦った。  それは、将来国と共に滅ぶことになっていた僕を救うため。  でも、邪神を受け入れたラクウェル兄は、常に魂の喪失と戦っていた。  それを防ぐためには、女神の加護を持つ僕を抱く必要があった。  「まあ、役得だな」  ラクウェル兄であるところの邪神は、にやっと笑った。  

ともだちにシェアしよう!