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第72話 再生と改革(7)

 6ー7 危機  それから僕は、リリアンに事細かに邪神との遭遇について尋問された。  「つまり、ラクウェル兄とくりそつの邪神が無理矢理レリアスお兄様にあんなことやこんなことをさせたり、したりされたのですわね?」  リリアンは、鼻息も荒く僕に迫った。  「で?レリアスお兄様は、最終的には、婚約者の名を出して泣き落としした、と?」  「いや・・まあ、そうだけど・・」  僕の話をきいていたリリアンがつぅっと鼻血を出した。  「リリアン?」  僕は、ハンカチを手にリリアンに歩みより鼻血を拭ってやった。  「大丈夫?」  「だ、大丈夫ですわ、レリアスお兄様」  リリアンがほぅっと吐息をつく。  「美しいレリアスお兄様があんなことや、こんなことをされているところを思い浮かべてしまって、ちょっと興奮してしまいましたわ」  はい?  僕は、遠く引いていた。  なんか、変?  リリアンがおかしくない?  もしかしてまだ、体調が悪いのかも。  「リリアン、無理しない方がいいよ。今日は、魔法学園を休んで横になっていた方がよくないか?」  「いいえ!レリアスお兄様」  リリアンがきっぱりと答えた。  「いくら、レリアスお兄様のお言葉でもそれは、お聞きできませんわ。だって、今日の試験を休んで受けなければ、特待生の座が守れませんもの!」  「別にもう特待生じゃなくてもいいんじゃ?」  リリアンは、もう、王女の座に戻っているし。  というか、未来の女王陛下なんだし。  無理して特待生でいる必要なんてないんじゃないのかな?  しかし、リリアンは、僕が止めるのもきかずに魔法学園へと登校してしまった。  仕方がないから、僕は、一人で書類に目を通し始めた。  でも、始めて10分もたたない内に僕は、深いため息を漏らしていた。  理由は、国の財政難のためだった。  今、シュテルツ王国は、未曾有の危機に貧していた。  なんとかしなくてはならない。  でも。  正直、僕には、どうすることもできそうになかった。  「金、か・・」  僕が机に肘をついて頭を抱えていると、不意に誰かが言った。  「お力をお貸ししましょうか?レリアス様」

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