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第82話 邪神の国(4)
7ー4 神子
「こいつにお世話になっているのか?レリアス」
ハジメが僕に詰め寄った。
笑顔が怖い。
美形が怒ると迫力がハンパない。
「どんなお世話になってるの?」
どんなって・・
僕は、顔がひきつるのを感じていた。
触手が僕にしてくれたこと、というとまあ、ろくなことじゃないし。
いい淀んでいる僕を見てハジメがどんどん無表情になっていく。
「つまり、言えないようなこと、してるんだ?」
ハジメが僕に歩み寄ると僕を横抱きに抱き上げた。
「ハジメ?」
「油断してた」
ハジメが僕を抱いたまま歩き出す。
「お前のこと、かまってやってなかった俺が悪いんだ。許してくれ、レリアス」
はい?
僕は、悪い予感に襲われていた。
ハジメは、僕をベッドへと運ぶとそこに横たえた。
「お前は、悪くない、レリアス」
ハジメが僕の側に腰を下ろすと僕の頬をそっと指先で撫でた。
「この間まであんなに苛烈に責められていかされまくってたんだもんな。体がどうしても快楽を求めずにはいられないんだろうな。満足させてやれなかった俺が悪いんだ。許してくれ、レリアス」
「そんな、こと、ない」
僕は、起き上がるとハジメに訴えた。
「僕は、そんなこと、望んでないから!」
「でも、見知らぬ男と娼館で逢い引きしたり、触手で一人遊びしたりしてたんだろう?」
ハジメは、凄みすらある笑みを浮かべていた。
「俺、今まで、これでも我慢してたんだよ?レリアス」
が、我慢?
僕は、目を瞬く。
いや。
けっこうがっつりと抱かれてたような気がするんですけど?
ハジメは、僕の方へと身を乗り出してきた。
「お前を壊したくないから我慢してたんだ」
「あっ・・」
ハジメが指で僕の顎をつぅっとたどった。
「もう、遠慮はしない。覚悟しろよ、レリアス」
ええっ?
僕は、まじまじとハジメを見た。
なんですと?
「ハジメ・・きいて、お願いだから!」
僕は、目を閉じて声をあげた。
「僕、僕は、邪神の神子になっちゃったんだ!」
「はぁっ?」
ハジメがハトマメになっている。
「邪神の、神子?」
僕は、頷いた。
ほんとは、内緒なんだけど。
リリアンと話して、しばらくこのことはリリアンと僕の秘密にしようということになった。
でも、今、言わないでいつ言うの?
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