16 / 37
第16話
――翌日。
「ユリ」
気だるげにリンゴを齧っていたユリに声を掛けると、ユリは驚いた様子でライモを見た。
「毛、食ってるぞ」
ライモの指摘にユリは口元を探り、口に巻き込まれた自身の髪の毛を払った。
ライモは戸棚から革紐を出すと、寝床に座るユリの隣に腰を下ろし、ユリの金髪を手櫛で纏めてその紐で括った。
「……ありがとう」
ユリは小声で礼を述べた。
昨日、二人は何度も交わった。
発情でほころんだユリの蕾をライモは何度も剛直で突き上げ、ユリは何度も精を吐いた。
しかしユリの熱は冷めることはなく、その強いフェロモンに当てられたライモもユリを攻め続け、求め合い続けた。
ユリには『濡れたまま寝床に上がるな』と言ったのに、結局寝床は二人の体液でビショビショになってしまった。
どうせまた濡れるので、発情期か終わるまでこのままでいいと思っている。
明け方にユリが寝落ちて一旦は休憩となったわけだが、陽も高くなったつい先程、ユリは目覚めた。
しかし変わらず発情は続いている。
昨日よりはまだ落ち着いているが、ユリはすぐにライモを求めてきた。
とにかく繫がるより先に、何か食べさせなければと思い、ユリをなだめてリンゴを渡したのだが……。
ともだちにシェアしよう!