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第18話
「リンゴ、もういいよ」
ユリはリンゴを半分食べてそう言った。
「ちょっとしか食ってねぇじゃねぇか」
ライモとしては、最低でもあと三つは食べるだろうと思っていた。
「そんな大きいリンゴ、全部は食べられないよ」
ユリが笑う。
ライモはユリの食べ残したリンゴ半分をポイっの自分の口に入れて二回咀嚼 し飲み込んだ。
もういらないと言われたが、流石にリンゴ半分は少なすぎるのでは無いか。
この後もきっと体力を使うのに……。
ライモはテーブルに置いておいたパンを取り、小さくちぎりって蜂蜜の瓶に浸し、ユリの口元に持っていった。
「もっと食え。ほら口開けろ」
ユリは素直に口を開きパンを食べた。
「甘い……」
「蜂蜜だからな」
さらに同じように蜂蜜を付けたパンをユリに食べさせる。
何度目かでパンが少し大き過ぎたらしく、パンに染み込んだたっぷりの蜂蜜が、ユリの口の端から垂れた。
「んーっ!」
ユリが焦って手で口元を押さえるが、間に合わず顎から胸に蜂蜜が伝い垂れた。
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