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第24話

 ユリの発情から四日目の朝、ライモは食料調達の為にオークの里に戻った。  ライモは狩りの途中で居なくなったわけだが、元々自由奔放なライモの生活スタイルから、それほど心配する者は居なかったようだ。 「帰ったと思ったら、もうどっかいくのかい?」  家で荷物をまとめていると、妹のタルが言ってきた。 「しばらくしたら戻る」  そっけなく返事をすると、タルはライモに近づいて鼻をフガフガさせ言った。  「ライモ、あんたΩを囲ってるね」  ギクッとしてタルを睨む。  タルはニヤニヤしながら続けた。 「この匂いは……うちの村のコじゃないよね。雄?雌? そんなにイイの? 今度貸してよ」  タルの発言に強烈な不快感が沸き起こった。  タルは雌のαだ。Ωや雌を妊娠させることができる。  オークは特定の相手を持たず乱交状態で、結婚という形はとらない。  タルも三人子供を産んだが当然父親が誰かは不明だ。  その為、オークは母親を中心に家族を形成してきた。  この家も、ライモの母親の家で、ライモとタル、他五人の兄弟達と、その子供達が暮している。  ライモにとってはそれが普通にだった。  昨日抱いた雌が、今日他の雄に抱かれていても何も思わなかった。  しかしユリは駄目だ。  妹にですら絶対渡したくない。  ライモはタルを無視して、急いで荷物をまとめて家を出た。 「何よ。感じ悪っ!」  タルは独り悪態をついた。

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