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第31話

 驚いて固まるライモにユリが不安そうな表情を向け言った。 「フェロモンが出てない私では……そんなに気なれないか……?」  ライモは慌てて言った。 「まさか!」  そしてユリの頬を撫でて言った。 「い、良いのか?」 「何故? 頼んでいるのは私だ」 「だって、俺は……オークだぞ」 「ふふっ、何を今さら」 「じゃ、じゃあ……キスも……していいか?」  ライモの言葉にユリはとびきり美しい笑顔を向け、そして自らライモに唇を寄せて来た。  ユリの柔らかな唇がライモの唇に合わさる。  ライモは昨日までと同じようにユリの唇に舌を這わせ、ユリの舌を吸った。 「ん……なんか……、発情してない時の方が鮮明だ……」  ユリがぽつりと感想を言った。 「なんだか……ずっと夢の中みたいだったんだ」  発情期のユリはなんだかとても子供ぽく可愛かったのだが、今のユリは大人びた色気を漂わせている。 「……ライモ、もっと触って。私も君にもっと触りたい」  ユリにそう美しい顔でねだられて、ライモには拒否する理由は無かった。

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