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第36話
ユリが帰った翌日、ライモもオークの里に帰ったのだが、予想外に大事になっていた。
エルフ達はユリが森で行方不明になったことで、オークに攫われたと思い込み、宣戦布告寸前の状況になっていた。
ユリは高貴な身分なのだろうなと予想はしていたが、どうやら現エルフ王の一番末の孫だったらしい。
オークの仲間たちは『やられる前にやっちまえ!』的な雰囲気になっていたが、ライモは何とかなだめ、様子を見ようと説得した。
結果、エルフ側からの使者がユリが無傷で戻ったことを伝えに来て、さらに疑った詫びとして、森を好きに使って良いと言ってきた。
恐らくユリがそう進言したのでは無いかとライモは予想している。
だがその結果、森でユリと会う事も無くなってしまった。
ユリが帰ってから三週間が過ぎようとしていた。
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