今日僕は、結婚する。
相手は、僕の幼なじみで運命の番の研究職男性。

 彼の実家は、そこそこ有名なホテルを所有しているらしいが彼は、家業に全く興味がなく独立し研究者をしている。

 祖父母に紹介したいと言われ結婚式当日初めて彼の祖父母に会う事になった。 彼の両親とは、昔からよく知っているが彼の祖父母については、未だにあったことがなかったので緊張した。

 彼の祖母は、明るく穏やかで人あたりの良さそうな同じΩの男性で
あった。 そしてその奥にいた彼の祖父の元へと向かい彼の祖父と目が合った。
 その瞬間何故か彼に噛んでもらった首より下の方が少し寂しく痛んだ。

 彼の祖父も僕の顔を見て少し驚いた表情したがどこか寂しそうに笑いながら一言

 「今度こそ幸せになってください。」

 今度こそ？その言葉に少し引っかかったが彼曰く祖父は今年で80歳近くで少しずつでは、あるが認知症を患っていた。 言動がおかしな時があると事前に聞いていたが何より自然と笑みがこぼれ無意識に祖父に向け 「今度こそは、絶対に幸せになります。」 なんでそんなことを言ったのが今となっては、疑問だが胸の奥にあったつっかえが取れたような気がした。 

僕は、スタッフに呼ばれ家族の控え室を後にした。