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15.憩いの店再び2
「今日は1人なの?」
乾杯してママがタバコに火を付けながら言ってきた
俺もIQOSを口に含んで軽く吐きがら淳史の事を言ってるんだなと分かる
「アイツは今日も仕事」
淳史も何度か連れてきた事があるからよく知ってる
今の生活も………
それからはしばらくは近況話したり光希達と会った事も言った
今までは俺の事は口止めしてたから
「あら良かったじゃない、
一緒にくれば良かったのにね」
「光希には直人がいるからあんまり2人の邪魔はしたくないから、いつかね」
気づいたらさっきまで居たお客は帰ったみたいであきさんは買い出しに行ってかおるさんは加わった
「ありがとー改めて乾杯!」
かおるさんにもお酒提供して、再び会話に戻った
本当は大輝の事聞きたいけど……
それだけの為に利用してるみたいで毎回は聞きづらい
悩んでるとかずこママが先に口を開いた
「残念だけど今日も収穫なしよ?」
えっ?って顔したらママが
「大輝の情報よ?
アンタの考えくらい分かるわよ
遠慮せず言いなさいね」
「うんありがと……」
やっぱりママ達には敵わないな
「もう5.6年も経っちゃうのね
あの大輝が本当に生きてるなら陽加に会いにくると思ってたのにね」
2人は信用出来るから今までの事全て話してる
だからこそ情報共有もしてるけど中央町に顔が広い2人ならもしかしたらと思ったのもある
「ねぇ陽ちゃん
そろそろ大輝探しはやめて
淳史くんと真剣にお付き合いした方が……」
「俺はやめないよ
納得出来る情報が分かるまでは探し続ける」
前にも言われたけどまだ分からない
けどママも参入してきて真顔で
「陽加……
前も言ったけどアンタは大輝を探す為に色んな物や生活を犠牲にしてきたじゃない。
それにこんなに月日が経っても情報が全くないの事考えたら……」
言いたい事は分かるよ、言いづらそうな顔してるけど、2人はもう諦めてるのも分かってる
「確かに陽加の言ってた蘇生した連中の話は確かに大輝を連想するけど大輝とは限らないし、仮に生存してるなら会えない事情があるとしか思えない……
じゃなきゃとっくにアイツの方から会いに来てるわよ」
ママはお酒を飲み干して続けた
「となるとアイツは裏の世界に戻って日本に居るかも分からない
そして……もし危険な存在だとしたら?
大輝の性格上陽加を守る為に姿を消した?
辻褄は合うでしょ?」
危険な存在……
《元Jのヒットマン.殺戮者.指名手配犯.
闇に落ちた騎士ダークナイト大輝》
それでも……それでも俺は大輝を……
「それでもいいよ……ウウッ……」
思い出すと涙が出てきたけどすぐ拭いて
「陽ちゃんごめんね、
でもこれ以上辛い思いしてほしくはないの
大輝もそう思ってるはずよ?」
かおるさんが心配そうに慰めてくれた
「分かってる……
ありがと今日はそろそろ帰るね?
また来るからお会計して?」
かずこママは分かったわと金額伝えて払った
帰り際玄関前でママが
「淳史は本気で陽加に惚れてるし良い奴よ?
大輝探しを止めはしないけどちゃんと付き合ってみたら上手くいくと思うわよ」
俺は振り返ってママの目を見てはっきり伝えた
「淳史とはまだどうなるか分からないけど、
これだけははっきり言える。
大輝は俺にとっては恋人以上に大切な人
だから……諦めない!」
笑顔でそう言うとママも優しい顔で
「本当変わらないわね」
「うん俺はしつこいから
じゃあまたね」
そう言ってママ達に見送られながら帰宅するために夜の街を歩きだした
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