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第28話【第四章】

翌日、すっかり元気になった堂本さんは朝食を食べた後また朔也をベッドに誘った。 朔也にその気はなかったけど、キスをされているとどうしても下半身が反応してしまう。真っ赤になった朔也を見てより一層キスを深める。堂本さんは最近ご無沙汰だったせいもあってか、病み上がりだというのに絶倫状態だ。 朝からまた、熱く抱き合ってしまった。 もう部屋から出ないで、ずっと朔也と愛し合いたいと言い、堂本さんはなかなか朔也を放してくれなかった。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 「佐藤弁護士はこの部屋に泊まったんでしょうか?」 気になっていたことを堂本さんに聞いた。 「帰っただろう。俺は熟睡してたから分からない。でもたとえ泊まったとしても志津香とはそういう関係にはならないぞ。あいつは女というよりは同士のような感じ。仕事仲間だからな」 なに?嫉妬してくれてるの。とにやけた顔で聞いてきたので、独身の女性ですからやっぱり気になります。と正直に答えた。 「可愛い奴だなお前。心配だったら引っ越して来いよ。一部屋空いてるし、毎日忙しくても必ず俺の顔を見られるという特権が与えられる」 一緒に住むのは置いておいて、忙しすぎるのはどうかと思う。倒れるくらい大変な仕事って何なんだろう。気になったので、朔也は堂本さんに聞いてみた。 守秘義務はあるだろうが、僕が聞いたところで特に影響がない事なら話してくれるだろう。 「今やってるホテルKYリゾートの買収の仕事が結構面倒なんだ。裏で違法なパーティーをしているって噂があって。もしそうであれば、いろいろ手を回さなければならなくなる。違法の証拠が掴めれば良いんだけどな」 朔也はホテルの買収などは手掛けていない事務所で働いているので、話を聞いても問題なさそうだ。 「証拠を掴むって、それは弁護士が出ていくものなんでしょうか」 「まぁそうだな、どこまでが俺達の仕事なのか考えるところだけど。買う前に摘発されれば買い叩けるからいいんだけど、買収後だと問題。違法じゃありませんってのなら問題ない事だしな。その辺の調査が上手くいってなくてね」 「……そうですか。そんなややこしい物には手を出さないのが吉だと思いますが」 「そういうわけにいかない会社の事情ってものがあるんだよな。いろんな手を使って裏を取ろうとしてるんだけど法の隙間を上手に掻い潜っているというか、微妙な感じで商売してるみたいなんだよな」 違法なパーティーとは具体的にどんなものだろう。朔也は気になった。 カジノとか?ドラッグパーティー?それとも売春買春関係か。 様々な違法があるけどどれなんだろう。 堂本さんが闇の組織に葬られたりしたら大変だ。 「僕が助けられればいいんですけど、残念ながら力不足です。その仕事で堂本さんの身に危険が及ぶとか、そういうことはないですよね」 「あ、そういうあれじゃない。裏社会が絡んでるとかではない。お金持ちのおっさんたちが会費を払って遊んでるみたいな感じ」 ホテルKYリゾートといえば、一流とまでは言わないがそこそこ名のしれたホテルだ。 まさかそんなところで、いかがわしいパーティーなんかが行われたりはしてないだろう。 「早く詳しいことがわかればいいですね」 「そうだな。そうなればゆっくり朔也と旅行にでも行けるのにな」 堂本さんは朔也の肩を抱いてこめかみにキスをした。

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