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29 くすぐったい
あけすけな告白に心がふるふると揺さぶられる。淫らに脚を開かれ、深森が上から覆いかぶさるように見下ろしてくる熱視線に卯乃は全身を火照らせた。
「卯乃はどこもかしこも真っ白で綺麗だ。触ると滑らかで、肌が手に吸い付く」
「恥ずかしい! そんな、みないで!」
細い腕を伸ばし素早く電気の紐をかちかちっと切って灯を絞ったら、反撃のように指先できゅっと乳首を摘まれた。
「いっ、ああ」
そのままぐにゅぐにゅと動かされたら、甘い疼きに耐えかね、たまらず卯乃は刺激を逃そうと腰をくねらせる。しかしそのせいで胸を突き上げてしまい、飢えた獣の鼻先に尖った桃色の粒をさらけ出してしまった。その果実を深森が逃すはずもない。
「ひああ」
唇でむしゃぶりつくように吸い上げられ、他愛もなくぷっくりと頂きが立ち上がる。追い打ちをかけるように、先ほど口内を蹂躙してきたざりざりの舌に下から上へとぺろぺろと舐められる。
「ひんっ、ざりってするう」
「……くっそ。可愛いな」
片方を指で転がされながら、すぐさま熱心に舐られて、きゅっと目を瞑った卯乃は今度は猫の深森にされていた時のあの背徳的な感覚を思い出す。
「甘い……、旨い」
そんな風に腰に響く低いセクシーな声で深森がため息を漏らすものだから、卯乃は快感に蕩けた顔で舌ったらずにくすくすっと笑う。
「味なんてぇ、しないよぉ」
「するんだ。草食のやつの肌は、すげぇいい匂い。たまんなく、甘くて旨く、感じる」
温かい掌がするすると胸の上で動かされ、肌の感触を確かめるようなこそばゆさに卯乃はふるふると身体を震わせて笑う。
「くすぐったいよお」
「柔らけぇ。全部舐めたい。全部、かじりたい」
「じゃあ、オレもするぅ」
さっきは触れられなかった大きく立派でふわふわの耳を子猫がミルクを飲むようにぴちゃぴちゃと夢中で舐める。毛がべしょべしょになるほど懸命に食んで舐めてとしていたら、卯乃もどんどん気持ちが高まってきた。
「くすぐったいな。……卯乃、興奮してる?」
執着していた耳から唇を離すと、卯乃は艶めかしい顔で僅かに首を縦に振る。
「舐めて」
低い声で命じられ、唇を指先でやわやわと刺激されつつ、今度は太く長い指をゆっくりと含まされた。おずおずと舌を絡め、舐め、音を立てて吸ったら、指の腹で感じやすい上口蓋をこすこすと撫ぜられた。
「ああっ」
お腹の奥に熱く重たく血が集まってきたような感覚と共に、脚の間の兆しを深森に気づかれた。恥ずかしくて隠したいが、何も身にまとっていない今の姿では隠しようがない。
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