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33 こういうことが、愛

腹につかんばかりにそそり立つそれに、卯乃は自らふわりと柔らかな尻に押し付ける。 「大丈夫だから、深森をまたちょうだいっ」 「俺もお前が欲しい」 「うん」 「俺、分かった。愛してるって、こういうことなんだな」 「ん……」  深森は卯乃の片方の尻たぶをグイっと乱暴なほど強くつかみ上げる。サディスティックな動きなのに、卯乃の身体のあちこちが敏感に反応しているのを感じた。 「綺麗なだけじゃない、感情」 「……どんな?」  口下手な深森がとつとつと思いを告げてくれる喜びに、卯乃は思わず聞き返した。 「少しも痛い思いさせたくないのに、お前の事、丸ごと全部食べちゃって、独り占めしたくなる」 「それ、わかる。深森、お腹いっぱいになってね」 「……可愛い。ああ、お前の奥に沢山擦り付けたくなる」  するりと腹の前に手をいれ、奥をぐいっと押される刺激に卯乃は目を潤ませ、耳を揺らして「あん」っと啼いた。 「オレもお腹いっぱいにして。深森がほしいよお」  猫と兎。肉食と草食。  互いの欲と真心がぐるぐると循環し、二人は「すき」と睦言を耳元で繰り返す。  深森は卯乃を布団の上にうつぶせ、足を太腿でがっしりと挟みこむと、今度は間髪入れずに奥まで押し入ってきた。 「はあっ、はあっ」  すっかり覚えられた卯乃のいいところを押し潰しながら息を弾ませ、激しく腰を振りはじめた。卯乃は最初の数回でもう気をやりかけて「みもり、すき、すきぃ」うわごとの様に繰り返す。興奮して卯乃の首筋に噛みつき、次は頭を掴んで振り向かせ、嗜虐的に唇を吸ってきた。 「卯乃、卯乃、食べたい、ああ、好きだ」  ストイックで冷静な男が狂ったように卯乃を求める。思うさま揺さぶられながら、卯乃は日頃甘い男の余裕のない仕草に、自分の方こそ彼の全てを手に入れられたという征服感に陶然とする。 「きもちいぃ、深森、すきぃ」 「俺も、卯乃、卯乃、好きだ」  ぐちゃぐちゃに揺さぶられたまま、我がままウサギはついに意識を手放した。

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