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心理学・宗教と書かれた本棚を見つけて間に入る。この授業の課題は、毎週卒業生の卒論を一本読み、展望と関連のある先行研究などを調べパワーポイントにまとめるというものらしい。
今週の論文は『過剰適応傾向と抑うつの関連』。過剰適応とは、平たく言えば無理して自分よりも周りを優先してしまうことだ。昨日家で読んでみたけど表の読み取りが難しくて、それも調べたいなと思っていた。
この研究での限界点は二つある。一つ目は、ほとんどの先行研究では外的適応と内的適応に分けて検討されている過剰適応傾向を一つにまとめてしまったこと、二つ目は男女別に検討を行わなかったことだ。
男女別に検討を行う必要があったと考えられる理由は、女の子の場合、自分の意見を言わずに周りに同調するということが割と日常的にあるため、そういった自己抑制と抑うつやストレスとの間に大きな関連は見られない。逆に男の子の場合、自分の意見を押し殺して他人に合わせることはストレスに直結する。
この二つの限界点から述べられた展望は、過剰適応傾向を外的適応と内的適応に分けて検討すること。また男女の対人場面における過剰適応行動の差が考慮された過剰適応尺度を用いることである。
つまり今回探す必要があるのは、過剰適応傾向と抑うつの関連について研究された中で過剰適応傾向を外的適応と内的適応に分けて検討しているものと、男女分けて実験が行われた本または論文だ。
「男女の性質が考慮された過剰適応尺度なんてあるのかな…なかったらまず男女それぞれの抑うつに有意な差が見られた過剰適応傾向の研究を探して尺度を構成する必要があるよね…」
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