たった2秒の沈黙がとても長く感じられたが、どうにか平然と微笑んだまま答える。 「恋愛観、ですか…。言葉にするのは難しいですね、はは。でも俺は…愛されたい、かな。愛されたいし、その何十倍も何百倍も愛したい。その分相手からも同じだけ愛されたい。見返りを求めちゃうんです、俺。相手と対等でいたい。どっちかに想いの大きさが偏ったら、もう一緒にはいれないと思うんです。何より互いが大事で、1番で、唯一で、世界が二人だけみたいな。…なんて、ちょっとクサイですかね？」 　あはは、と少し照れくさくなって頬が軽く熱を持つのがわかる。 　焦ると本音が出てしまう。昔からの癖だ。 「いえ…いいえ、素敵だと思います。レイジさんの曲はどこか妖艶な雰囲気を纏っているので、正直言うと意外でした…。ですが、その恋愛観が新月9ドラマである「桜田と足立」にも感じる部分が多い気がします。実は私も購読済みなのですが…より、レイジさん演じる桜田に対する期待が高まりました。とても楽しみです」 「はは…ありがとうございます」 「レイジさんの新たな発見が出来たところで、本日のニュースを___________」 　顔面に貼り付けた微笑の仮面の下で、本音をさらした動揺を必死で隠していたため、アナウンサーのその後の言葉はすべて右から左に流れていった。