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最終話

数年後、毎日ピアノが鳴り響きそれを聴きながらサイフォンで珈琲をいれる若い男性と初老のマスターが営む喫茶店があった。 夜になるとバーになり常連やrainの動画を見たファンがピアノを聴きに飲みに来店する。 昼時、マスターがピアノ弾きと男性にサンドウィッチを渡す。 「さ、賄い出来たから食え~。」 「鷹生、お昼だって。」 「わかりました、せんぱ…翠さん。」 「そろそろ先輩呼びから離れたらどうだ~?ニシシ」 恥ずかしそうに笑う鷹生に翠は微笑んで話す。 「もう何年も経ってるからな、そろそろ慣れてもらわないと困るぞ。」 「お、未来の旦那さんがそう言うてはりますぞ~。」 そう、近々この喫茶店で結婚式を開くらしい。 その主演の二人は左手の薬指にお揃いのシルバーリングを付けて美味しそうにサンドウィッチを食べていた。 近くの公園ではなく、職場となった喫茶店で。 季節は梅雨が明け、雨上がりの空からは優しい日差しが溢れていた。

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