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第19話
腕の中には信じられないほど愛しい存在がいる。
生まれたばかりの子供はしわくちゃでいて可愛い。
紬は幸せで胸をいっぱいにさせ、大粒の涙をポロポロと零していた。
■
子供が産まれてから暫く。
紬は恭介と一緒に育児に勤しんだ。
生まれた時より大きくなったその子は、頬っぺや手足がプクプクで、話し掛けるとニッコリ笑うことも多い。
恭介はそんな子供が可愛くて仕方ないらしく、仕事から帰ってくると一目散に「ただいま」を言いに行く。
もちろん紬への愛情もたっぷりなので、普段から沢山会話をし、休みの日には全員で散歩に出かけたりもした。
そんな日常を送っていたある日の夜。
紬は体に異変を感じて、皿洗いをしていた途中に床に座り込む。
心臓がドクドク音を立てて、少しずつ体が熱くなっていくのを感じた。
恭介は子供を寝かしつけ、洗濯物を畳んでいたところ、ほんのり香ってきたフェロモンに驚き、慌てて紬の元に駆けつける。
紬は久しぶりの感覚に戸惑っていて、しゃがんだまま見上げられた恭介は、ヒクッと喉を鳴らした。
「あ、あの……ごめ、抑制剤……っ」
紬は抑制剤がどこにあったかと記憶を辿るが、途中からモヤが掛かって思い出せない。
視界が潤んで見えなくなってきた時、そっと恭介に抱きしめられてポロッと目から涙がこぼれていった。
「番になりたい」
「っ、」
「抑制剤は飲まないで」
紬はハッとした後、震える手を愛しい人の背中に回し、肩に頬を擦り付ける。
「ベッド、に……連れてって……」
恥ずかしさを堪えてそうお願いすると、恭介は頷き紬を抱っこして立ち上がる。
そうして、一緒に眠っている恭介のベッドに辿り着いた。
そっと柔らかいそこにおろされ、目が合うと触れるだけのキスをされた。
紬はもう既にうっとりしながら、恭介の手が自身の服を脱がしていくのを眺める。
「バンザイして」
「ん、」
「ありがとう」
上半身が裸になれば、頬を撫でられもう一度唇を重なる。
その間に手がスルスル下りていき、包むように胸を揉まれる。
紬はそれだけで快感を感じ、足をモジモジさせてしまう。
お腹を撫でられ、下腹部に軽く圧が掛けられると、背中がくっと反れて甘く絶頂した。
恭介が「下も脱がすよ」と言う頃には、紬は既に蕩けていて、全裸になると後孔は愛液でしとどに濡れていた。
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