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第44話

「すごい、煌の大きい」  はち切れんばかりにいきり立った煌に、玲衣の白い指が絡みつく。  すでに先端から透明の蜜が垂れているのを指先ですくい、それを潤滑油にして、ゆっくりとしごく。頭をヒクつかせながら悦び泣く煌に、玲衣はたまらなくなって丸ごと口に含んだ。 「うわっ」と、煌が低く唸る。煌の先走りが、玲衣の口内に甘く染み渡った。  舌先で、頬の裏側で、玲衣は懸命に煌を愛撫した。  この行為が愛おしいと思ったのは初めてだった。  義兄にしてきたことと同じことをしているのに、全てがまるで違った。  それまでずっと、玲衣にとって男性器は忌み嫌うものでしかなかった。男同士のこれは汚いものだと思っていた。  けれど今、目の前の煌は義兄のそれとは比べものにならないほど存在感があるのに、ちっとも嫌じゃなかった。  それどころか、もっと大きく固くさせたい、もっと甘い蜜が欲しい、いっそのこと食べてしまいたい、そう思うくらい愛おしかった。 「玲衣、も、俺」  煌が玲衣の頭を掴んで引き剥がそうとしても、玲衣は口を離さなかった。   煌は玲衣の口の中で一度大きく震えると、熱い樹液を吐き出した。玲衣はそれを一滴もこぼすまいと、もっと喉の奥へと煌を呑み込んだ。  ようやく玲衣が煌から口を離すと、煌は赤い目をして玲衣を睨みつけた。  しかし、すぐに激しく玲衣に口づけてくると、そのまま玲衣を押し倒した。  今までのキスで、一番性急で、余裕のないキスだった。 「ねぇ、煌……」  玲衣がキスを中断して話すので、煌はお預けをくらった犬のように、困った顔をした。 「僕の十五歳の誕生日を祝ってくれた時、僕が来年も一緒だったら欲しいものがあるって言ったの覚えてる?」 「ああ、覚えてるよ」 「あれはね、煌のことだったんだよ」 「俺?」 「うん。煌が欲しい。そう言おうと思ってた」  煌は再び激しく玲衣の唇を奪った。息が詰まるような長く濃厚な口づけを交わす。  いったばかりの煌のそれが、再び固くなり始めているのが分かった。  煌は玲衣の頬に首筋に胸元に、熱いキスを撒き散らした。 「煌……最後まで……しよ」 「でも……」 「お願い」  玲衣は潤んだ目で、甘えるように言った。  煌は意を決したようにうなずくと、この世で一番脆く壊れやすい宝物を取り出すように、玲衣の服を脱がしていった。 「俺、初めてだから、上手くできないかも」 「僕も最後まではちゃんとしたことないから……煌はやり方分かる?」 「なんとなくは……。嫌だったり痛かったりしたらすぐに言えよ」  玲衣がコクリと頷くと、煌は自分も服を脱ぎ、そっと玲衣に覆い被さってきた。  少年院では身体を動かすことも多いのだろうか、一段と逞しく男らしくなった煌の身体に、玲衣の胸は騒いだ。 「玲衣のここ、色が薄くて桜の蕾みたいだ、俺のとは全然違う」  胸の二つの突起を指先で弄ばれ、ぷくりと起き上がったところをすかさず舌で絡め取られる。思わず声が出そうになって指を噛んだ。  しかし、すぐに煌の手が追ってきて引き抜かれる。 「これ気持ちいい?」 「うん、あっ」  口を塞ぎたくても、手をしっかりと煌に握られてしまって、どうにもできない。 「これは?」  チュッときつめに吸われると、背中がしなり、鼻にかかった声が出た。  煌は玲衣の反応を楽しむかのように、左右の突起を行き来する。それ以外の場所にも指や唇を這わせながら、玲衣のポイントを探る。  やがて、それらが玲衣の中心へと降りてきた。  さっき、玲衣が煌にしてあげたよりもじれったく、煌は玲衣をゆっくりと味わった。  両手を掴まれているので、玲衣の口から絶えず甘ったるい喘ぎ声が漏れた。

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